“風疹ゼロ”プロジェクト キックオフ! 2020年 東京オリンピック・パラリンピックに向けて

平成30年1月16日

公益社団法人日本産婦人科医会
会  長 木下 勝之
常務理事 平原 史樹

“風疹ゼロ”プロジェクト2018年


 本会では、先天性風疹症候群児の出生をゼロにし、風疹の完全抑制を目標とした活動を進めております。そこで昨年、厚生労働省をはじめ、行政、各種団体等、皆様方のご理解、ご支援のもと、『“風疹ゼロ”プロジェクト』を立ち上げました。
 つきましては、本年も2月4日の『風疹(ゼロ)の日』を中心に、2月を“風疹ゼロ”月間と定め、多くの関係者の方々のご賛同により、一斉に情報発信、啓発活動を進めていただきたく、下記の宣言をいたします。


【“風疹ゼロ”プロジェクトメッセージ2018】

2月4日は“風疹(ゼロ)の日”―『“風疹ゼロ”プロジェクト』―を進めましょう
風疹にご注意! わが国では風疹流行のリスクはいまだに消えていません!

1. 海外にでかけるなら風疹の用心と万全の対策を!(*1)

2. 海外から帰国後の体調異変はもしかしたら風疹かも!診察をうけてから職場へ(*2)

3. 30~50代の男性は風疹への抵抗力が弱い人が多く、ぜひMRワクチンを接種してください(かかりつけ医、職場健康相談で尋ねてください)。(*3)

4. 妊娠を考えているおふたりへ
風疹対策は大丈夫ですか? 予防接種は妊娠前に忘れずに!
(各市町村で風しん抗体検査助成事業が実施されています‐詳しくは保健所へ)(*4,5)

―2018年2月“風疹ゼロ”プロジェクト―

  (*1)風疹が流行している地域へ渡航の際はぜひ風疹ワクチン(通常、【麻疹風疹=MR】ワクチン)を接種してからでかけてください。
海外の風疹に関する情報は国立感染症研究所やWHOのHPでご覧になれます。
「海外での風疹対策の現状」
  Rubella Reported cases by WHO region

(*2)海外旅行(出張)中に現地で風疹ウイルスに感染し、帰国後発症し、軽い“かぜ”と考え出勤して職場で流行させたり家族に感染させる事例が多くあります。
海外出張の多い企業、組織では職場としての感染症対策を十分にとられることを強く推奨しかつ要望します。
⇒ 国立感染症研究所 「職場における風しん対策ガイドライン」

(*3)特に30代-50代の男性は風疹抗体が不足している方が多く、ワクチン接種が必要な方々です。風疹ワクチンは通常、【麻疹風疹=MR】ワクチンが接種されます。【ワクチン接種は2回接種が定期接種で定められていますが、受けていない人は、少なくともまず1回接種を受けることが大切です。】

(*4)現在も多くの市区町村で進めている補助(助成)制度(風疹抗体検査および【麻疹風疹=MR】ワクチン接種)がありますので各市区町村、地元の保健所にお尋ねの上、利用されることをお勧めします。

(*5)妊娠20週頃まで(主に妊娠初期)に妊婦が風疹ウイルスに感染すると、難聴、心疾患、白内障などの障害(先天性風疹症候群)をもった赤ちゃんが生まれるおそれがあり、その後、発育の遅れがみられることがあります。(詳しくはかかりつけの医師とよく相談されることを勧めます。)

■“風疹ゼロ”プロジェクトでは今後、2020年度(オリンピック・パラリンピックの開催年)の本邦における風疹排除の目標に向けて、なお一層の具体的提案を続けてまいります。



  参考資料1 2018年1月16日

風疹が流行している地域(*1):2015-2016年の報告数:

トップ20 WHOホームページより

国名       2016年  国名       2015年
インド      8274   中国       8133
中国       4535   インド      3252
インドネシア   1238   インドネシア   2156
スーダン     996    ウガンダ     1055
南アフリカ共和国 819    スーダン     1052
ネパール     656    ベトナム      798
パキスタン    648    ネパール      626
ナイジェリア   503    ナミビア      625
ベトナム     413    コンゴ民主共和国  464
ケニア      331    ケニア       422
ギニア      289    ナイジェリア    419
ウガンダ     289    中央アフリカ共和国 354
トーゴ      276    エチオピア     328
コンゴ民主共和国 204    パキスタン     282
マダガスカル   204    カメルーン     277
コートジボワール 192    ウクライナ     248
エチオピア    184    タイ        240
フィリピン    179    アンゴラ      228
バングラデシュ  165    バングラデシュ   189
ウクライナ    150    アラブ民主共和国  177



“風疹ゼロ”プロジェクト(概要)



1 プロジェクト提案内容
本邦における風疹流行に伴う先天性風疹症候群の発生をゼロにするために、昨年2017年2月を起点として開始され、①【麻疹風疹=MR】ワクチン接種推進を全国規模で啓発を行うとともに、②積極的なワクチン接種推進策を提言し、③未接種者の低減化に向けた有効な方策等を提言、発信する。

2 背景ならびに概要
■風疹はこれまで反復して流行し、多くの先天性風疹症候群の児が出生している。現在もなお、流行する準備状態にあり、大規模国際交流イベント開催時には大流行する傾向があることから、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時の流行も懸念されている(最近の流行年:2004年,2013年)。さらに、下記の2点が流行の背景として課題となっている。
・海外から輸入感染症として職場、家庭に持ち込まれる場合が多く、海外渡航先での感染にはとりわけ注意する必要がある。
・特に30代から50代の男性は風疹抗体保有率が低く、しかも渡航の機会も多く、国内での流行の感染源となりやすいためハイリスクである。

■平成32年(2020年)度までに“風疹の排除”(厚生労働省目標設定)の実現を!

■協力要請組織、共同行動組織、機関
厚生労働省、経済産業省、外務省、各都道府県市区町村、国立感染症研究所 日本医師会、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本周産期・新生児医学会、 日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児保健協会、日本耳鼻咽喉科学会、日本感染症学会、日本ワクチン学会、日本ウイルス学会、日本臨床ウイルス学会、日本細菌学会、日本呼吸器学会、日本環境感染学会、日本渡航医学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本衛生学会、日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、日本疫学会、日本医療・病院管理学会、日本医療情報学会、日本集団災害医学会、全国保健所長会、地方衛生研究所全国協議会、全国衛生部長会、全国機関 衛生学公衆衛生学教育協議会、予防接種推進専門協議会、一般社団法人社会医学系専門医協会、日本看護協会、日本助産師会、日本助産学会、日本保育園保健協議会、一般社団法人日本ワクチン産業協会,マスメディア各社、広告情報業界
企業、事業体、財界・業界団体、経済界
風疹をなくそうの会 ほか関係者
日本医療研究開発機構研究事業(ワクチンによって予防可能な疾患のサーベイランス強化と新規ワクチンの創出等に関する研究班) その他  (順不同)

■期間日程  2016年度―2020年度(オリンピック・パラリンピック年)までの期間

■行動計画:
 ①組織形態の整備と実行:日本産婦人科医会に事務局を設置
 ②注意喚起メッセージ(共同声明)発信、啓発活動:毎年 2月4日【風疹(ゼロ)の日】、および2月いっぱいの1か月間を“風疹ゼロ”月間として啓発に努める。
 ③“2020風疹排除”に向けた啓発、ワクチン接種推進等の立案・計画・実施行動
■“風疹ゼロ”プロジェクトホームページ http://www.jaog.or.jp/rubella/
■“風疹ゼロ”予防啓発ポスター(国立感染症研究所感染疫学センター) https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubella-poster2013.html
■厚生労働省からのお知らせ 初の海外渡航者向け「風しん啓発イベント」を成田空港で開催します http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192273.html

(問い合わせ先)公益社団法人日本産婦人科医会
〒162-0844東京都新宿区市谷八幡町14番地 市ヶ谷中央ビル
TEL : 03-3269-4739 FAX : 03-3269-4730 http://www.jaog.or.jp//


参考資料2 2018年1月16日



“風疹ゼロ”プロジェクト
  代表      木下 勝之  (日本産婦人科医会会長)
  作業部会代表  平原 史樹  (日本産婦人科医会常務理事)
  作業部会副代表 大石 和徳  (国立感染症研究所感染症疫学センター長)
  作業部会    伊藤 隆一  (日本小児科医会)
          奥田 美加  (日本周産期・新生児医学会)
          久保 隆彦  (日本産科婦人科学会)
          倉澤 健太郎 (日本産婦人科医会)
          多屋 馨子  (国立感染症研究所感染症疫学センター室長)
          細矢 光亮  (日本小児科学会)       (50音順)


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