平成10年9月7日放送

本年度日母大会(三重県)のご案内

日母産婦人科大会実行委員長 森川 正作

全国日母会員の先生方、御健勝にて御活躍の事と存じます。

本年度の、第25回日母大会は東海ブロック三重県支部担当で、三重県四日市市四日市市文化会館で10月24日(土)、25日(日)の両日開催する事に成りました。

テーマを“美し国、伊勢の地で考えよう21世紀の母子保健”とさせて頂きました。

以下、大会会長富澤康二に代りまして御案内申し上げます。

第一日目の10月24日(土)

A:日母生涯研修プログラムを次のように開催致します。

1]ビデオセッション  9時30分〜10時40分迄

1) 「開業医の行う体外受精」  成田病院院長 成田 収 先生

1978年7月EdwardsとSteptoeにより世界最初の体外受精法による出産報告以来、各分野で進歩し、男性不妊の治療にも成果をあげ、生殖生理学領域に驚異的な進歩をもたらしましたが、生命の尊厳を知り、倫理を守りたゆまぬ努力により妊娠率の向上に努める必要性をビデオ発表されます。

2) 「開業医の行う内視鏡手術」  可世木病院理事長 可世木 辰夫 先生

                     同院長 可世木 成明 先生

内視鏡は小規模施設に利点のある手術であることを、その必要な人員、機材、麻酔について症例呈示のうえ御報告頂ます。

2]学術研修10時40分〜12時迄

1) 「性虐待と子供の人権」  羽島市民病院産婦人科部長 荒堀 憲二 先生

小児愛とレイプ全ての近親姦を含む性虐待は、単に個人の病理だけでは説明がつかない男女の社会構造上の問題であるとされ、産婦人科医がこの分野で何が出来るかについて御講演して頂きます。

2) 「産道損傷」  浜松医科大学教授・副学長 寺尾 俊彦 先生

軽度な第1度会陰裂傷から重度の子宮破裂迄種々発症する産道損傷の中で、最も母体死亡の頻度の高い子宮破裂を中心にその診断の難しさ及び治療法について御講演頂きます。

3]教育講演として(13時〜17時迄)東海ブロックの6大学産婦人科教授の御講演があります。

1) 「妊娠時の血圧調節」  名古屋大学教授 水谷 栄彦 先生

胎盤臓器機能が妊娠時の母体胎児血圧の恒常性維持に不可欠であることを御講演頂きます。

2) 「妊娠と糖尿病」  三重大学教授 豊田 長康 先生

糖尿病合併妊婦の管理方は、「糖尿病妊婦専門医」と言うべき医師が主体となって行うべきであると考えられており、教室で行っている血糖自己測定、食事療法、強化インスリン療法を御講演頂きます。

3) 「妊娠とスポーツ」  愛知医科大学 中西 正美 先生

妊娠とスポーツの総論と、10年来教室で行われている妊婦水泳教室の各論について御講演頂きます。

4) 「胎児スクリーニングの考え方」  名古屋市立大学教授 鈴森 薫 先生

妊娠中期迄に実施出来る非侵襲的な胎児スクリーニングとして2つの方法があります。1つは超音波診断装置と、もう1つは母体血清マーカー・スクリーニングでありますが、当日はこの後者を中心にその考え方を御講演頂きます。

5) 「産婦人科医療と予防医学」  岐阜大学教授 玉舎 輝彦 先生

細菌感染とPROM、ピル等ホルモン剤と婦人科腫瘍、遺伝因子の検索、環境化学物質の乳癌発生との関係等御話しになり、現在は治療医学より予防医学に重点を置く時代が来たという御講演をして頂きます。

6) 「不妊症治療の進歩」  藤田保健衛生大学教授 河上 征治 先生

イ)女性不妊対策

ロ)男性不妊対策

ハ)機能性不妊症の解明について御講演頂きます

B:大会プログラムは、10月25日(日)同会館で9時30分より開催致します。

1)開会式

2)特別講演(公開講座)

1. 10時〜11時迄「動物誕生の謎〜動物発生のメカニズム」の演題で、鳥羽水族館長 中村幸昭氏の御話しがあります。

2. 11時〜12時迄「誰も知らないあした〜近付く超高齢社会」の演題で、NHK所属の高名であり、会員先生方もよく御存じの医事評論家 行天良雄氏です。

3. ワークショップとして「産婦人科オープンシステムの可能性をさぐる」をテーマに13時より14時15分迄開催します。

基調講演として

I)「病診連携12年間を振り返って」  船橋市立医療センター副院長 清川 尚 先生

母子救急体制の確立と産婦人科病診連携について、センターの15年間の成績と今後の産婦人科医療についての御講演を頂きます。

II)「当センターにおける産婦人科オーブンシステムの試み」  県西部浜松医療センター周産期センター副所長 前田 眞 先生

運用方法さえ誤らなければ有用性が高く、病診連携をより深めることが診療所と病院の両者共存共栄につながると確信されていることをセンターの施設、運営内容、効果について御報告になります。

III)「開業医から見た産婦人科診療における病診連携」  のせ産婦人科院長 能勢 純子 先生

20年間の勤務医を辞め、外来のみで産婦人科医院を開院された先生の病診連携の実情を御講演して頂きます。

4. 最後に閉会式を14時15分〜14時30分迄行います。

5. この他に、今年度よりポスター会場を設けます。日母おぎゃー献金研究費配分を受けられた研究機関に、(24日、25日の両日)研究発表のポスター展示をして頂きます。質疑応答は両日共12時〜13時迄です

6. 尚、第19回全国日母産婦人科看護研修学院卒後研修会を、10月24日同会場で14時〜16時30分迄開催します。

又、親睦を目的に

C:1) ゴルフ大会を10月23日(金)涼仙ゴルフ倶楽部で開催します。

このゴルフ場は、毎年秋の雪印レディースゴルフトーナメントの開催される、レイアウト、整備ともに素晴らしいゴルフ場ですので、多数の御参加をお待ちしています。

2) 懇親会10月24日(土)18時より20時30分迄四日市都ホテルで行います。アトラクションとして、10月24日(土)午後5時より伊勢音頭、唐人おどり、木遣り、太鼓を予定しております。

3) エキスカーション(観光)として

1. 俳聖松尾芭蕉のふるさと伊賀忍者屋敷めぐり、2. 斉宮歴史博物館、国学者本居宜長記念館めぐり、3. 大会終了後(10月25日)は真珠のふるさとコースとして、伊勢神宮参拝と御木本真珠島、志摩スペイン村見学の一泊コースの観光を設定しております。

尚スケジュール詳細は、日母医報6月号及び講演抄録はJAOG Information(8月号)勤務医ニュースに掲載致しております。勤務医の若い先生方も多数御参加下さいますよう御待ちしています。

三重支部会員は、全力を尽し大会の成功を期しております。会員の皆様、奥様、三重県における第25回日母大会にこぞって御参加下さいますよう心より御願い申し上げます。

最後に、本大会開催にあたりまして御指導、御協力を賜りました坂元日母会長はじめ、本部の先生方、東海ブロックの6大学の産婦人科教授の先生方、加納愛知県支部長、小川岐阜県支部長をはじめ両支部の先生方、特に前年開催地の岡山支部堀章一郎先生はじめその支部会員の皆様に衷心より厚く御礼申し上げます。