平成10年12月21日放送

 日母全国支部総務担当者連絡会より

 日母産婦人科医会常務理事 市川 尚

 12月6日、日曜日に恒例の総務担当者連絡会が京王プラザホテルに於いて行われました。
 総務担当者連絡会は7月に行われる支部長会以後の、日母の主だった事業について各部より報告、連絡し、又各支部で問題になっていることを提出してもらい協議する重要な会と位置づけています。
 当日は坂元会長から前日行われた日本性感染症学会シンポジウムの中でのピルとの関連討議の模様と厚生省のインターネット、ホームページに発表されたピル審議に関する情報内容の紹介がされました。審議過程の公開で少しは進展してくれるのか今後を見守りたいと思います。
 又、根津医師に対する日母の対応について、日母医報12月号に2ぺージにわたって詳細に書かれた、会長名の「会員に告ぐ」の記事内容を御自身の口から説明され、出席者全員よく理解していただいたものと思います。
 次いで中央情勢として、法制担当の新家常務理事より、現在日本医師会検討プロジェクト委員会にて審議中の「母体保護法指定医師の指定基準モデル」改訂案について説明をしました。
 昭和45年に作成された指定基準は時代の変化等にて問題が生じているため平成3、4年に当時の日母優生保護法等検討委員会で審議され答申を受けていたものでありますが、昨年坂元会長と日医坪井会長との話し合いの中で、坪井先生が理解を示していただき、本年より委員会で検討されているものです。指定医師のレベルアップと、産婦人科医を減少させないために内容の検討が行われ、本年度中に検討が終了する予定です。
 その後総務部から始まり、献金担当連絡室に至る七部二室の日母各部より、現在取り組んでいる重要事項の報告が行われました。
 主要なものだけ紹介します。
 日母創立50周年記念式典並びに第26回日母産婦人科大会は来年本部主催で行いますが、日程は10月16、17日を予定しています。
 場所は新装なる都市センター会館で行う予定です。50周年記念誌の発行を予定しているため、各支部にこの10年の歩みの原稿をお願いしました。第27回日母大会は平成12年9月に北海道ブロックが担当し、札幌市で開催されることになりました。
 平成10年の家族計画・母体保護法指導者講習会は2月27日に日本医師会館で行われますが、特別講演として「諸外国における体外受精と法律」と題して、三菱化学生命科学研究所の米本昌平氏にお願いすることになりました。この方面の第一人者であります。又シンポジウムとして「体外受精の現状と課題」として現状を慶応大学の吉村教授に、法的課題を東京都立大学法学部の石井美智子教授に、倫理的課題を京都大学文学部の加藤尚武教授にお願いしました。それぞれの第一人者であります。
 受講希望者は1月14日までに各都道府県医師会を通して申込むことになります。
 IAMANEHの理事会報告が高橋副会長からありましたが2001年理事会が日本で予定されています。現在坂元会長が副会長になっています。森山前日母会長以来日母が参画しています。
 平成12年度の会員研修テーマは産科関係が「妊娠中毒症」となりました。最近管理方法等に新しい知見が多くあるのでかっての研修ノートの改訂版として作成します。婦人科関係としては「女性の美容医学」について学ぶことになっています。
 日母産婦人科研修学院の現況は入学者数424名で、今迄と違い聴講生はなくし、皆有資格者であり、卒後研修を目的としているわけで、全国で57施設有りますが、そのうち休校しているところが22施設ある事が報告されました。大分支部から関連意見として来年度からは新規募集はせず、講習会等の卒後教育で行って行きたい意見がありましたが、現在尚35施設は活発に活動を行っているので、意見は委員会で検討していただくことになりました。
 母子保健部より、妊産婦・乳幼児に対する健康診査の実施に伴ってHbs抗原検査結果等の取り扱いの上で、プライバシー保護が必要になった事例があったことから厚生省に慎重な運営についての指導方の要望書を出したことの報告がありました。又母子保健関係事業の一般財源化による、市町村事業が平成11年度も、従来通り実施されるよう要望書を出したことも報告されました。
 このことは子宮がん検診等がん検診でも同じことであり、市町村が実施主体となるなかで、子宮頸がん検診は今までと同様に今後も実施されると思われますが、体がん検診については、有効性についての誤った解釈から実施を取り止めるところが出るとの話もありますので、各支部で、行政と十分話し合って事業が縮小しない様努力していただきたい。
 日母ホームページ開設以来、順調に利用いただいていますが、今回各支部からのお知らせぺージを作成した。支部内の研修会・講演会等のお知らせをぜひ本部に送っていただければこのぺージに載せていきます。又会員のメーリングリストに登録されて会員同士の情報交換を行っていただくと幸いです。
 おぎゃー献金からは研究費配分を平成10年度から1000万円増額し、3500万円にしました。昨年は26研究機関から申請がありましたが、研究内容が心身障害児のため研究から逸脱してないか、中間報告書の内容、献金への協力程度等が審査されますので、この点をよくお伝え下さい。
 上記各部の報告のほかに当日は労働省女性労働課課長の足利聖治氏が来られ、現在の女性労働をめぐる諸問題、とくに男女雇用機会均等法に基づく女性労働者の保健指導及び健康診査について講演がありました。
 とくに今年から実施されている、母性健康管理指導事項連絡カードの利用についての協力要請がありました。これは妊娠中及び出産後の女性労働者に対して母性健康管理上、必要な措置が適切に講じられるために、事業主に指導事項の内容が的確に分るよう、このカードの利用を計っていただきたいとの要請がありました。
 診断書を発行する程ではないが、就業上の配慮をしてあげてほしい時などに利用されてほしい。会員からは労働省のほうで、事業主のほうにもっとPRしてもらわないと、ほとんど普及していないことを伝え、その点での協力も依頼しました。当日は又産業医に母子保健上の必要な協力を頼むためには、もっと多くの産婦人科医が積極的に産業医になることが必要だが、今回日母医報12月号に付録として入っているJAOGインフォメーション(すなわち勤務医特集号)に産婦人科と産業医の特集がされているので参考にして下さい。
 北海道支部より日母事務局の事務員の事業分担を支部・会員にも知らせてほしい要望もあったので、当日配布しましたが、日母ホームページにものせることにしました。日母の書類のA判化については、費用もかかることなどから、状況に応じて考えることにしました。支部間の意見交換のなかで日産婦誌認定医の研修ぺージのなかの杜保の内容について、又国立病院等でモデル施行が始まったDRGについて、診療所の療養型病床群の問題等が活発に話し合われました。