平成11年12月20日放送

 第26回(平成11年度)日母全国支部総務担当者連絡会より

 日母産婦人科医会常務理事 市川 尚

 

 平成11年度の全国支部総務担当者連絡会が12月12日(日曜日)に京王プラザホテルに於いて開催されました。前日の日本医師会館で行われた、家族計画・母体保護法指導者講習会に出席された役員の諸先生方にとっては2日続きの会で大変だったと思います。この連絡会も既に26回を数え、開催時期も最近は12月の初旬に行わていますが、この連絡会の目的は、7月に行われる支部長会後約半年間の日母業務の連絡協議と各支部で検討されている重要問題について、支部間で討論して戴き、本部を交えて質疑、懇談をして戴くことを主旨としています。

 坂元会長から、本部・支部間の情報伝達をスムーズに行うことは、諸問題が数多くなっている現在こそ求められているものであり、総務担当の役員の皆様に是非ご協力を戴きたい旨の挨拶がありました。

 連絡協議として、まず総務部からは、次年度事業計画について要望があれば12月中に事務局に連絡をして欲しい旨、平成12年度税制改正への要望書を自民党に提出したこと、また日母創立50周年記念誌は今年3月頃完成を目指して作業している状況で、完成後速やかに各支部へ配布を予定しており、是非ご利用願いたいとの報告と、さらに各支部へ依頼した同誌への「各支部の10年の歩み」の投稿への謝辞がありました。

 法制担当からは、女性の権利に基づく、「母体保護法」改正についての日母提言(案)に対し、アンケート調査(平成11年8〜9月施行)の結果についてスライドを用いて発表し、会員の皆様の約8〜9割に支持されたことを報告しました。また同提言(案)に対する一般市民への公聴会が平成11年11月18日に行われたこと、並びに公聴会での発言等について報告がありました。また平成12年4月から、新しい指定医師の更新に際し必要になる、研修受講証明書になる「日母研修シール」について、その時から日産婦学会認定医研修シールとは別に分離発行することの報告とご協力依頼がなされました。

 経理部からは、平成11年度収支状況の報告がありました。

 学術研修部からは、研修ノート、研修ニュースの発行状況、平成13年度の研修テーマの報告がなされました。

 医事紛争対策部からは、「日母正期産仮死児調査報告」の最終報告書が完成し、調査協力医療機関と共に各支部へ配布しましたので、御一読をお願いしました。また来年1月に各会員へ医療事故防止に関する研修資料とし、1)研修メモ「看護要員の医療事故防止のために」、2)小冊子「これからの産婦人科医療事故防止のために」の(4)「新生児蘇生法」、3)「使用上の注意」パンフレットとして2薬剤、以上3点を配布することの報告がなされました。

 医療対策部からは、平成12年2月6日に開催予定の全国支部医療対策担当者連絡会の案内と内容説明会がありました。

 産科看護担当からは全国統一試験の案内と10月の日母大会の時に同時開催された卒後研修会の報告と当日のビデオを各学院へ配布したことの報告がありました。

 勤務医部からは、現在活動している3つの小委員会の活動状況報告がされました。

 社会保険部からは、診療報酬改定の動向の説明がなされ、追加説明として、佐々木日医診療情報等委員会委員より、日医としての現在の考え方の説明があったほか、前原副会長より厚生省内の動きの補足説明が行われました。また薬価問題をはじめ医療制度改革の動きは、はっきりしない部分が多く、予算編成の動きをみながら、政治決着を求めることも視野に入れての折衝になろうかとの見通しも話されました。

 広報部からは、現在の日母医報について編集方針の説明があり、是非支部会員へ医報の熟読の要望がなされました。

 女性保健部の中の、母子保健担当からは、平成12年度母子保健関係予算への要望を行ったことを含め、総合周産期母子保健センターについて全国の整備状況の報告と今後の整備について各支部の協力を要請しました。

 先天異常担当からは、平成10年度外表奇形等調査結果がまとまり、報告書を各支部に配布したこと、その内容の概略が報告されました。

 がん対策担当からは、第18回全国支部がん対策担当者連絡会が11月14日に開催されましたが、その内容の報告があり、また第2回乳がん検診用マンモグラム読影に関する研修会を平成12年2月13日に開催する案内がされました。

 予防医学・介護担当からは、現在推進している事業の報告がありました。

 中央情報室からは、各支部のシステム現況調査の報告がなされ、現在日母ホームページ・電子メールの使用状況からみて、少しずつでもシステムを使用しての伝達について前向きに推進していくことが報告されました。

 献金担当連絡室からは、平成11年の施設配分、研究費配分について申請状況の報告と日母おきやー献金ホームページヘのアクセス数の報告がありました。1ヶ月に約4〜5千件のアクセスがあるとの報告されました。

 その後連絡・協議内容への質疑応答を含め支部提出議題等を協議しました。

 主だった事項について報告します。

(1)指定医師指定基準については、現在約1/3の都道府県医師会でその作成が終了しているようです。内容については基準モデルを基に作成されていることは当然でありますが、各医師会で工夫されているところもあるようで、その取組み状況の意見が活発に行われました。設備指定条件で、必要な医療機器、連携医療機関、24時間体制などの細則上の条件設定で工夫されているところもありました。更新条件の中の日母研修シールの取扱い、運用上の問題、管理の方法等意見交換がありましたが、日母研修シールは1/2シールを作らないこと、運用管理は各支部に一任すること、但し日母シールは是非活用され、更新条件にして欲しいことが本部より要請されました。

(2)母体保護法改正についての日母提言(案)については、今後平成12年2月に法制検討委員会で再度検討することが決まっています。各支部での意見について意見交換をしました。

(3)富山県支部の提案を基にして乳がん検診へのマンモグラフィー導入についての各支部の現況報告を聞きましたが、今のところ宮城県以外にはないようでした。器械購入の助成金要望がありました。

(4)支部会員減少に関する対策では各支部での対策が待たれますが、今後具体的対策があったら報告して戴くことになりました。

(5)少子対策については日医の委員会報告が待たれますが、平成12年2月の全国支部医療対策担当者連絡会でも話し合われることになりました。

(6)新生児チャイルドシートについては安全性が確立されていないので、解説文は日母医報にも出しましたが、各施設からの退院の際の問題点も有り、今後検察庁へも正式要請を出したいと話し合われました。

(7)茨城県支部より昨年1月の朝日新聞発刊のアエラに、現在の周産期医療への批判的な記事が掲載されたが、今後も妊婦に不安と医療不信をつのるような記事に対しては、日母としても速やかな対応を要望されました。今後は読者に誤った、批判的報道についてはきちんと対応していくことになりました。

 以上活発な討議がなされ、有意義な会でありました。