平成12年7月10日放送

 ピル ホームページ開設

 日母産婦人科医会常務理事 田辺 清男

 

 この度日本母性保護産婦人科医会監修で、電通関西支社企画、日本シェーリング株式会社協賛よりなるインターネット ホームページ「female healthーカラダの中から美しく!」が開設されました。そこで本日はこのホームページが開設された経緯と目的などについてご紹介致したいと思います。何よりもまずこのウエブサイトを是非見て頂きたいと思いますので、URLをご紹介致します。http://www.fe-health.netです。繰り返しますと、エイチ、テイー、テイー、ピー、コロン、スラッシュ、スラッシュ、ダブリュー、ダブリュー、ダブリュー、ドット、エフ、イー、ハイフン、エイチ、イー、エイ、エル、テイー、エイチ、ドット、エヌ、イー、テイー でございます。なお、これは日母医報6月号にも載っておりますので、ご参照下さい。

 日本母性保護産婦人科医会では沢山の事業を行っておりますが、そのうち女性保健部には母子保健、先天異常、がん対策、それに私の担当致しております予防医学・介護に関する部があります。すなわち、予防医学・介護に関する部は女性の一生のうち、妊娠・分娩とがんに関する事項を除いたすべての疾患や病態、あるいは女性の疾病の予防について、産婦人科医業という観点から種々検討致しております。

 予防医学・介護に関する部が担当しております事業をもう少し詳しくご説明させて頂きますと、思春期では性教育を含めた思春期に起こる諸問題などを、性成熟期では避妊と不妊、STDに関する問題を、更年期では骨粗しょう症などに対するホルモン補充療法の問題を、また介護保険と産婦人科医の役割について、さらにはホルモン療法の一般女性への啓発に関する問題などを検討して来ております。

 性教育に関しましては、性教育指導セミナーを最近は各支部にご担当頂きまして、開催しております。本年は和歌山で7月2日(日曜日)に開催され、この件に関しましてはこの日母・産婦人科アワーでも後日ご報告があると思います。明年は7月1日に仙台で開催されることが決定されております。さらには性教育指導用のスライド作成等を本年度の事業計画に致しております。

 性成熟期では不妊相談センターの開設を促すべく厚生省等へ働きかけると共に、各地での開設状況等を調査しております。一方避妊では低用量経口避妊薬が発売されました際には、日母医報での速報や研修ニュースによる会員への指導など、種々の広報活動をさせて頂きましたことは皆様もご記憶に新しいところと存じます。

 更年期の問題では昨年、本年とそれぞれ1冊ずつ小冊子を発行して、会員の先生方の診療に多少ともお役に立てているのではないかと自負致しております。すなわち昨年は「ホルモン補充療法のすすめ」を、本年は「骨粗しょう症に気をつけて」を作成し、会員の先生方に配布させて頂き、さらにご希望の先生には有料で頒布させて頂いておりますが、今までに前者は約3万5千部、後者も発刊以来2ヶ月で約5千部ほど先生方からご注文頂いているとのことです。

 これらの事業以外に我々の部ではホルモン剤に対する社会一般の偏見を払拭してホルモン剤の普及を図り、かつまた産婦人科医療の一般女性への啓発を目的として、種々の事業を今までに行ってきておりますし、さらに今後も行って行く予定に致しております。

 その第一段が昨年平成11年12月1日の朝日新聞朝刊に、産婦人科の一般女性への啓発を目的として、「健康美人になるために女性のからだの専門家と上手に付き合ってみませんか?」と題する記事を、1ページ15段のうち上7段に出させて頂いております。これは日本ワイスレダリー株式会社の後援によるもので、同社の1周年記念として、上半分を日母に提供してくれたものです。そこで、坂元日母会長に記者がインタビューするという形式で、産婦人科を広く社会に紹介するための内容になっておりますが、これも我々の予防医学・介護が準備させて頂いたものです。これは低用量経口避妊薬があまり売れていませんが、その原因として同社が調査したところによれば、女性に低用量経口避妊薬の存在すらそれ程知られていないうえに、女性特に若い女性にとって産婦人科のしきいが非常に高く、気軽に産婦人科を訪れることができないことが明らかになったとして、同社が我々日母に紙面を提供してくれたものと理解しております。

 さらに本年4月末日より、日本シェーリング株式会社提供によるfemale health netも同様な目的で開設されております。すなわち、低用量経口避妊薬に対する一般社会の誤解を解き、正しく認識して貰うことと、産婦人科を気軽に受診して貰えるような環境作りのために開設されたものです。最近は若い女性がパソコンでインターネットを利用している割合が高いことに注目し、同ネットの開設に至った訳です。

 このネットの内容は先生方に同ネットにアクセスして頂ければすぐお分かり頂けますので詳細は省きますが、初めの約四分の一で産婦人科の紹介がされております。すなわちfemale health「カラダの中から美しく」というタイトルから始まって、次をクリックしますと、 female health「産婦人科で、健康美人」というタイトルへ移り、そして「female healthってどういう意味」というページへ進みます。その答えは「それは、あなたが、あなたらしく生きること」となっており、そして、「自分のカラダの状態をつねに意識しましょう!」、「カラダについて、正しい知識を身につけましょう!」、「産婦人科など気軽に相談できる相手を見つけましょう!」、次いで「できるだけ定期検診を受けましょう!」といった内容から、「female healthってどういう意味」という質問に対する回答の説明になっております。次いで、「産婦人科にできること」というセクションでは、「産婦人科は女性の健康相談所」、「健康チェックで安心・安全」、「さらにスムーズな受診のための4つのポイント」などで、産婦人科の紹介をしてくれています。つまり、産婦人科は女性の味方で何でも気軽に相談に乗ってくれるところであることを懇切に説明しております。

 次いで、低用量経口避妊薬とはどういうものか、その誕生の歴史、排卵を抑えるしくみ、避妊効果、飲み方、副作用、副効用、使用上の注意、服用を希望した時どうすれば手に入るか、すなわち産婦人科へのかかりかた等について、懇切丁寧に教えています。

 その後、低用量経口避妊薬の体験談が載っております。さらに、「ピルとはなに?」から始まって、最後に「ピルの値段」まで、トータル52のQ and Aで、低用量経口避妊薬に関するよくある質問について解説しています。そして最後に意見箱が用意されており、低用量経口避妊薬について、female healthについて、産婦人科について、さらに当サイトに関して、アクセスしてくれた女性の意見を聴けるようになっており、我々産婦人科医にとって参考になる意見が寄せられるものと期待しております。

 このネットの存在は一般に知られておりませんので、企画した電通関西支社では、有名女性月刊誌で宣伝するのみならず、その他多くの方法でこのネットの存在をアピールしております。そのためかアクセス数は開設1ヶ月半で約100万件にも達しているとのことです。

 最後にもう一度同ネットのURLを繰り返しますと、エイチ、テイー、テイー、ピー、コロン、スラッシュ、スラッシュ、ダブリュー、ダブリュー、ダブリュー、ドット、エフ、イー、ハイフン、エイチ、イー、エイ、エル、テイー、エイチ、ドット、エヌ、イー、テイー でございます。

 以上のように会員の先生方に少しでもお役に立てるよう日母は頑張っております。今後とも日母の活動にご理解と、ご協力をお願い申し上げます。

 これで本日の私のお話を終わりたいと思います。ご静聴有難うございました。