平成13年4月30日放送
 平成13年度事業計画について
 日母産婦人科医会副会長 市川 尚

 平成13年度の事業計画については昨年12月末までに各部で担当理事、常務理事、幹事が中心になり計画を立て、それぞれ所属の委員会委員のご意見を入れてまとめたものを、会長・副会長をまじえヒアリングを行い、2月の理事会の審議を経て、先日行われた、第51回定例代議員会にかけ承認されました。各部の事業計画の主要なものを説明したいと思います。

 総務部庶務では今年度10月を予定として日母本部の事務室を同じ市ヶ谷の別のビルに移転することが決まっていますが、そのため今回の移転によりスペースが倍増するので、事務所機能が順調に稼動するようにOAフロアーを設置し、会議室は移動間仕切りにより理事会規模、常務理事会規模、委員会・部会規模と各々に対応出来る様考えています。これ等を最終的決定していくためのプロジェクト委員会を考えています。又、日母産婦人科大会の今後のあり方を検討していただくための委員会を設置する予定にしています。各ブロックを3廻りしはじめている現在、その開催の仕方、内容、助成のあり方等諮問を出し答申をいただく予定にしています。又本年度は今後認定資格をもった若い先生方に積極的に入会していただく様、入会勧誘用パンフレットを作成するのも新規事業です。

 総務部法制としては定款改正のための厚生労働省との折衝は当然していきますが、母体保護法の適正・運用とともに母体保護法改正への昨年迄にとりまとめた提言(案)を時期に応じて提言していく予定でもあり、今後の動きに注目していく予定です。

 学術研修部では平成13年度の研修テーマである「新生児のプライマリ・ケア」「不妊症のケア」、また平成14年度の研修テーマである「分娩管理―より良いお産のために―」「感染とパートナー・シップ」の研修テキストの作成を行いますが、今年度から研修方法としてビジュアル化を考えCD-ROMを作成し、より理解を深めていただける方法を考えています。
 又日産婦学会とも連絡・協議を密にして会員の生涯教育の充実を計っていく予定です。

 医事紛争対策部の事業計画としては、3年前より「これからの医療事故防止のために」として小冊子をシリーズで発行していますが、本年は外来診療のインフォームド・コンセントとして婦人科疾患の1.排卵誘発剤使用時 2.卵巣腫瘍 3.子宮内膜症 4.子宮がん検診時 の4冊を予定しています。
 又本年はリスクマネージメントの対策の一つとしてインシデントレポートの収集、分析を行い、防止のためのマニュアルの作成を考えています。各支部より推薦いただき、ご協力をいただける先生のところで発生するインシデントレポートを収集することから始める予定です。

 医療対策としては本年は全国支部担当者連絡会を開催する予定であり、21世紀を迎え医療経営はどうあるべきかを検討し協議を行うようにしています。
 又「健やか親子21」に関連して、妊娠・分娩における快適性の検討を行い、より快適な事項とは何かを考えます。

 産科看護では全国の日母産婦人科看護研修学院の現況調査資料や産科看護委員会で収集した資料などを基に、学院を取り巻く社会情勢、現状の医療情勢などを考慮して委員会を中心にそのあり方を検討することにしています。

 勤務医部としては現在まで3つの小委員会で検討していた内容をさらに展開していく予定であり、1.勤務医の待遇問題 2.女性医師の諸問題 3.産婦人科入局員増加のための検討を尚進めていくことにしています。

 社会保険部としては平成14年に予定される診療報酬点数改定に向けての要望事項の作成、点数早見表の作成・配布を行います。
 それ以外にも「妊娠・分娩における保険診療上の取り扱い」についての小冊子の作成を考えています。ブロック社保協議会、支部の社保活動への支援については今までと同じに対応させていただきます。

 広報部としては毎月発行の日母医報をA4判サイズにして、活字を大きくし横組みとして、より読みやすい誌面になるよう努力しています。
 今後も日母活動を会員へ伝達することはもちろん、産婦人科関連の情報を分析・評価して会員に役立つ情報誌になるよう充実を計ります。

 女性保健部の母子保健では、「健やか親子21」と「プレネイタルビジット」事業の推進を計ります。又労働省より昨年末委託相談があった「小規模事業所の母性健康管理に関する相談事業」は正式に厚生労働省の平成13年度新規事業として予算化されましたので、日母本部が委託を受け日母各都道府県支部でこの相談事業を行っていただくことになります。この事業推進のため、これから企画・立案を急いでする予定です。
 新生児聴覚スクリーニング検査はモデル事業として整備がなされたところから始めていくことになりますが、取り扱い等検討していくことになります。
 又、助産婦、自宅分娩に関する問題点を検討するため、実態把握に関するアンケート調査を実施する予定です。

 先天異常関係では、妊婦感染症検査の実態調査を全国規模で実施する予定です。19歳以下の若年妊婦が先天風疹症候群の児を出産するハイリスク群であるかどうかを検討します。
 神経管閉鎖障害の発症予防として葉酸摂取の重要性については平成12年12月28日付で母子保健課長、地域保健・健康増進栄養課生活習慣病対策室長名で通達が出ましたが、このことを日母医報、日母ホームページを用いて、先進各国のように妊婦の葉酸摂取の重要性を啓発していきます。
 先天性代謝異常検査事業が国の補助事業から一般財源化されたので今後事業継続がきちんとされるよう各都道府県の動向をチェックしていく事にします。

 がん対策では「マンモグラム読影に関する研修会」の継続開催支援をしていくと共に、マンモグラム併用乳がん検診事業が各都道府県で検診方式が会員のためになる様構築されるように努力していくことになります。
 本年も全国支部がん対策担当者連絡会を開催し、婦人科がん検診事業の諸問題の連絡協議を行います。

 予防医学・介護担当では性教育実態調査を行うことにしています。学校における性教育は重要であり、産婦人科医が参画することが求められていますが、実際に各支部における実態を調査し、各支部に情報を提供し、支部での活動に供したいと考えています。
 低容量OCの普及率は予想を下回っているので会員が診療の場で実際に使用し得るような小冊子を作成したい。
 不妊への支援が「健やか親子21」でも求められていますが、患者が知りたがっている知識を小冊子にまとめ、会員を通じ配布することにより不妊医療の適正化を図りたいと思っています。
 又会員が積極的にHRTに取り組むよう促すため、簡単なマニュアルを作成し、会員の日常診療の助けとしたい。

 中央情報室では、日母ホームページの内容を定期的に更新し、最新の情報を提供する努力を続けていくことが主なことですが、日母メーリングリストの更なる利用・活用を推し進めたい。

 献金担当室では献金運動を国民への認知・周知を図るためおぎゃー献金ホームページで活動を紹介すると共に、会員が尚一層協力してもらえるよう協力態勢の維持・強化に努め、パンフレットの作成、講演会開催など検討をして、企画したいと考えています。

 以上主だった平成13年度の事業計画について述べましたが、今後共ご理解・ご協力をお願いします。