平成14年5月20日放送
第53回日本産婦人科医会通常総会より
第53回日本産婦人科医会通常総会議長 竹村 秀雄
 

 第53回日本産婦人科医会通常総会は、去る3月24日、東京新宿の京王プラザホテルにおいて、代議員、役員、名誉会員、顧問ら、総計127名が参集して行われました。今回は、これまでの日本母性保護産婦人科医会が、昨年9月の第52回臨時代議員会及び総会で議決され、10月19日には厚生労働省から認可を得た新しい定款によって日本産婦人科医会と名称が変更されてから初めての総会です。会員の先生方は、JAOG News4月号ですでにお読み頂いたかと存じますが、ラジオを通して報告させていただきます。

 定刻の10時に田中幹事長によって仮議長の選出方法が諮られた上で、仮議長として東京支部の宮崎節生代議員が選出されました。仮議長により第53回通常総会の開会が宣言された後、栃木、宮崎両副幹事長により点呼が行われ、出席代議員は定数68名のうち出席者64名と定足数の3分の2を満たしており、通常総会が成立することが宣言されました。また、欠席者の全員から書面表決書が提出されていることが報告されています。次に議事録署名人として東京の小林重高代議員、埼玉の久我裕道代議員が推薦され、指名されております。議長、副議長は新しい定款に出席代議員の中から選出すると規定されているものの、定款細則などの整備が出来ていない今回は仮議長に一任され、東京の樋口正俊代議員からの推薦をいただいた大阪の私 竹村秀雄が総会議長に、栃木の上地弘二代議員が副議長に挙手多数によって選任されました。

 議長席に着いた私達は、それぞれ就任の挨拶をした後、総会の成立をあらためて確認し、議事を進めることといたしました。まず最初に坂元会長が挨拶をされ、日本産婦人科医会という永年の願いが叶った名称変更と、それに伴う定款変更によって3月と6月に総会が行われることになったことや、転んでも起きあがれるロボットが開発されたことを引用して、転んだ後で起き上がるためには普段からの準備が必要であることを述べられ、そのためにも日本医師会との連携が必要なことや、少子化対策などについて述べられました。次に、会長の先導によって本年度の物故会員129名に対し黙祷が捧げられ、続いて水子慰霊の黙祷が行われました。

 次いで報告に入り、まず総務担当の清川常務理事からこれまでの日母産婦人科大会を、あり方検討委員会での検討の結果、次年度から日本産婦人科医会学術集会と変更するとの報告がありました。これに対しては、日母大会が始まったときの経緯や、これまでの名称へのこだわりの発言が聞かれましたが、会長から、これまでの良さを残しながら若い会員の参加を促すためには開催のあり方を引き続き検討していく必要があるとの発言があり、原案通り承認されました。

 報告の(2)としては、「平成14年度小規模事業所の母性健康管理に関する相談体制の整備に関する委託事業」の受託について、担当の朝倉常務理事から厚生労働省からの委託によって昨年同様の条件で本年も行うことになったとの報告があり、質疑の後承認されました。

 報告の(3)は、日母おぎゃー献金基金平成14年度予算について担当の力武常務理事からの報告がありました。配分予定としては施設に7000万円、研究費に2500万円を予定しており、9%に増額される還付金を献金運動に使用することや管轄が母子保健課から障害福祉課に移管したことが報告され承認されました。

 次いで議事に入り、まず第1号議案の「社団法人日本産婦人科医会定款細則の変更に関する件」が担当の白須常務理事から上程、説明されました。主な変更点は、まず第1に総会は代議員をもって構成されること、次に準会員は原則として5年間を限度とすること、第3は特別会員の推薦は支部長のみであったが理事も出来ることとし、第4に代議員は各支部で選挙にて選出する、第5に議長、副議長はその都度総会で選出すること、第6に総会内委員会の予算決算委員会は常置するなどです。これに対して大阪の小澤代議員から名誉会員、特別会員の称号は終身的なものかなど質疑がありましたが、結局原案通り全員の挙手を得て可決されました。

 第2号議案の「総会議事規則の変更に関する件」も白須常務理事から上程され、議長、副議長の選出方法と任期、仮議長、書面表決、議事録、総会内委員会についての規定などが変更点であるとの説明があり、原案通り可決されました。

 第3号議案は「平成14年度事業計画(案)に関する件」で、9部2室の担当常務理事からあらかじめ配布された事業計画案にしたがって、その基本方針や新規事業、重点事業を中心に昼食をはさんで順次説明が行われました。

 次に議長から総会内に予算決算委員会の設置をお諮りし承認されましたので、あらかじめ各ブロックの会長さんから推薦された13名の方を委員に指名させていただいた後、担当の飯塚常務理事から第4号議案「平成14年度収支予算案」に関して、平成14年度予算書(案)、並びに収支予算説明書(案)、特別会計収支予算(案)に基づいて説明がありました。以上、第3号議案、第4号議案に関しては岩手県支部の小林代議員から本部と支部が一緒になって全国一斉に何か行う予定はないかとの発言をはじめ、東京都支部の筒井代議員からは過年度会費と会員数の推定について、鹿児島県支部の柿木代議員からは産科看護学院に関係した予算について、東京都支部の青木代議員からは電話相談事業の啓発運動と経理についてなどの発言があり、会長や担当の常務理事からの回答がありました。ここで第3号議案、第4号議案の審議を一時中断し、代議員からの質疑もふまえて平成14年度予算案の審議を予算決算委員会に付託することになり、総会は一時休憩をとりました。別室で行われた予算決算委員会では、大阪支部の小澤満代議員が委員長に、東京都支部の落合和彦代議員が副委員長に互選された後、平成14年度収支予算案に関する審議が行われました。本会議が再開され小澤委員長から審議結果が報告された後、第3号議案、引き続いて第4号議案は理事者の提案どおり可決されました。

 ここで議長席を上地副議長に代わっていただき、第5号議案「平成14年度会費免除者(案)に関する件」が清川常務理事によって上程され、支部長から申請のあった196名の会費免除が可決されました。

 続いて第6号議案「名誉会員の推薦に関する件」は市川常務理事から上程され、石川県の前支部長中村彰先生を名誉会員とすることが可決されました。

 第7号議案「特別会員の推薦に関する件」では、第6回理事会で承認された特別会員候補者33名につき協議し、原案通り可決されました。最後に代議員提出議題としては、沖縄県支部の高良代議員から、医会事務局に保険事務に精通した事務職員を配置できないかとの発言あり、担当役員から現状の対応方法を説明の後、詳細は各支部の担当者にお願いしたいとのお答えがありました。次に北海道支部の菊川代議員から、1.産婦人科領域の医療経済についてのシンクタンク設立、2.専門医資格認定を本会所管とする計画、3.代議員の活動強化と増員等についてなどの発言があり、会長、担当役員の説明が行われました。鹿児島県支部の柿木代議員からは避妊薬普及と性教育について、和歌山県支部の赤山代議員からは、小規模事業所電話相談事業の会計処理についての発言があり、最後に佐々木常務理事から平成14年度産婦人科関連の診療報酬点数の主な改定点について説明がなされ、定刻の午後4時に閉会しました。