平成15年4月14日放送
第55回日本産婦人科医会通常総会より
日本産婦人科医会幹事長 宮崎 亮一郎
本日は、平成15年3月23日、京王プラザホテルで行われました第55回日本産婦人科医会の通常総会について報告致します。
69名の代議員の先生方をはじめとし、現役員総計143名の参加により本会が行なわれた。
仮議長には東京産婦人科医会会長で東京支部代議員である小林重高先生が選出された。
全国69名の代議員を点呼により、67名の出席と2名の欠席者を確認、欠席者2名は予め協議事項等に関しての書面表決がなされており、本会が成立しことを確認した。
議事録署名人には、東京支部選出の青木基彰代議員、群馬支部選出の家坂利清代議委員が指名・承認された。
その後、本会の議長、副議長の選出が行われ、立候補届出のあった議長に大阪支部の竹村秀雄代議員、副議長に栃木支部の上地弘二代議員が承認された。
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坂元正一会長より、
ショウ・ザ・フラッグをもっとうに、本会の大いなるイメージ・チェンジをもって活力化に取り組んでゆきたい。特に、学会との共同作業は1つの大きなチャンスである。
我々産科婦人科医療の魅力と夢を若い人達に与えようではないか。また、若手の台頭を促すことが次年度の事業計画に盛り込まれていることを読み取って戴きたい。できることをじっくり考え、そして決したならば、やり遂げる覚悟こそ大事である。
と挨拶された。***
次に、
参加者全員で物故会員への慶弔、さらに、水子の慰霊に対し黙祷を捧げた後、議事に入った。
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<報告事項として>
1.日産婦学会・日産婦医会のワーキンググループからの報告
清川常務理事より、両会の連携可能な事業について、両会長宛の最終答申につき報告があった。
- 両会の機関誌の共同発送について
- 法制・倫理についての棲み分け
- 社会保険委員会の棲み分け
- 専門医制度と学術研修について
2.有床診療所問題について
佐藤常務理事より、日医が有床診療所の問題について委員会を設置して検討している。と報告があった。
3.助産師問題について
大村常務理事より、厚労省看護課長通達の助産師業務について、各方面と協議、その対応をしていること。これに関する新聞報道が医会の真意と異なると抗議した経緯について報告があった。
4.「平成15年度小規模事業所の母性健康管理に関する相談体制の整備に関する委託事業」の受託について
朝倉常務理事より、平成14年度の電話相談件数は170件であったこと。
また、平成15年度もこの事業を継続受託する。ピーアールにも予算使用が許可されたことが報告があった。5.平成16年度4月診療報酬点数改定に関する産婦人科の要望(案)について
佐々木常務理事より、外来補助管理料の新設などの10項目を日医の担当委員会へ提出することについて報告があった。
6.第2回日本産婦人科乳癌研究会について
永井常務理事より、本研究会が平成15年3月2日大阪で開催され、多数の若手産婦人科医師達の参加があった。
7.第26回性教育指導セミナーの開催について
田邊常務理事より、平成15年度のセミナーは平成15年7月6日が本部主催で開催され、今回のメインテーマは「指導者のスキルアップを目指して」であると報告があった。
8.日母おぎゃー献金基金の平成15年度予算について
力武常務理事より、社会情勢など、諸般の事情から献金額の低迷、基金の予算が厳しくなってきている。会員の協力をお願いすると要望・報告があった。
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代議員の意見として、
小林岩手支部代議員より、
平成15年度も有床診療所問題を日医で検討するとのこと、本会も小委員会の継続、審議することを要望。
本会としても継続して小委員会を設置し産婦人科医療の立場を理解してもらうように努力する。柿木鹿児島支部代議委員より、
助産師不足改善対策を要望。
おぎゃー献金を推進するために、地元マスコミと計画中であると報告があった。上述8題の報告事項に関しては承認された。
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<協議事項として>
竹村議長から規定により、総会内予算決算委員会を設置する旨の説明があり、13名の委員が委嘱され、委員長に九州ブロックの柿木代議委員が、副委員長に関東ブロックの青木基彰代議員が互選された。
1.第1号議案 平成15年度事業計画(案)に関する件
本会の事業の組織改正と次年度事業について、各担当常務理事より説明があった。
2.第2号議案 平成15年度収支予算(案)に関する件
飯塚常務理事より、平成15年度収支予算(案)について説明がなされた。
第1号議案、第2号議案について、一括質疑が行われた。
- 小澤大阪支部代議員から、会費免除者の増加に伴う会費収入の減少について、中長期的検討と会費免除会員についてシステムの変更の有無について質疑がなされた。
==> 本部より、本会の収支に関して平成20年までシュミ・レーションを行っており、事業予算の効率的運用をさらに進める必要があること、システムに関しては今後検討していく。- 小林岩手支部代議委員から、少子化対策を考えた事業展開が必要ではと質疑がされた。
==> 本部より、厚労省から少子対策に関連した委託事業などもきている。医会の事業に、21世紀の母子保健対策の中に少子・高齢対策が盛り込まれている。今年度新たに発足した対外広報部と協議の上、事業をさらに展開したい。- 堀永大分支部代議員から、プレネイタルビジット以外に産婦人科としては産褥うつ病の問題について検討して欲しいと要望があった。
==> 本部より、今後、事業に組み込むことについて検討する。- 荒川愛知県支部代議員から、少子化問題は産婦人科医師から医会、日医、厚労省、文科省さらには日本全体に問題提起していく必要があると要望があった。
==> 本部より、我々は医療面での対策を講じる。他に質疑はなく、両議案の質疑を一次中断し、議案を総会内予算決算委員会に付託した。
予算決算委員会内で協議し、その結論について柿木委員長より、会員数の減少、会費免除者の増加にともなう会費収入の減少については既に検討され、また、本会の事業の業務分担を見直し、日産婦学会との業務連携を行い経費削減の努力を行っている。さらに、委員からは支部連携費の中止等も検討すべきとの意見があった。以上のことを鑑み、今回の予算案に関して、委員会内では概ね良好とした。と説明があった。
会が再開され、両議案とも原案通り満場一致で可決された。
3.第3号議案 名誉会員の推薦に関する件
加納 泉(愛知)、前原大作(本部)、松井幸雄(本部)の候補者について協議した。
満場一致で可決された。4.第4号議案 特別会員の推薦に関する件
各支部、本部より申請のあった25名の候補者について協議した。
満場一致で可決された。5.第5号議案 平成15年度会費免除者(案)に関する件
各支部より申請のあった高齢(281名)、疾病(4名)の計285名につき協議した。
満場一致で可決された。6.第6号議案 役員選出および顧問・幹事委嘱に関する件
平成15年3月9日までに立候補の届出があったのは、会長(定数1名)で坂元正一1名、副会長(定数3名)で清川 尚、佐々木 繁、新家 薫の3名、監事(定数3名、うち1名は本会会員以外で会長委嘱)で高橋克幸、寺尾俊彦の各氏であった。
満場一致で可決された。新会長就任挨拶として
坂元正一会長より、初めて就任した時の気持ちは今の時代にも当てはまる。会員諸兄、手を携えて「医会に夢とロマンの華」を咲かせよう。全力を尽くすと述べられた。ブロック推薦理事25名は満場一致で承認された。
会長推薦理事11名が会長から提案され、満場一致で承認された。
直ちに、別室で臨時理事会を開催し、坂元会長から常務理事14名が発表され、満場一致で承認された。
引き続き、会長より委嘱監事として平岩敬一弁護士の提案があり、満場一致で承認され、委嘱された。
顧問について、会長より住吉好雄、武見敬三、前原大作、宮崎秀樹、山口光哉各氏の推薦が提案され、満場一致で承認された。
さらに、会長より幹事19名が委嘱されたと報告された。
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<代議委員提出議題>
- 菊川北海道支部代議員から、診療科の特色を目指した産婦人科医療経済ワーキンググループの設立と活動に関する提言・要望があった。
==> 今後さらに産婦人科の特徴ある問題を取り上げた、広報ならびに対外広報を行うとした。- 寺内徳島支部代議委員から、医道審議会・医道分科会等で、医師ならびに歯科医師に対する行政処分についての考え方の通達に対して、会員の問題、医療の新しい視点について検討して欲しいと要望があった。
==> 産婦人科医療の特殊性をもとに、その運用には慎重を期するという要望書を作成・提出を検討中であると述べられた。以上、第55回通常総会について報告した。