平成15年8月25日放送
日本産婦人科医会支部長会より
社団法人日本産婦人科医会幹事長 宮崎 亮一郎
本日は、8月3日、京王プラザホテルで開催された平成15年度の支部長会について報告します。
当日は、ようやく関東地区が梅雨明けし暑い陽射しが照りつける中開催されました。
開会の辞として清川副会長から、今年度より支部長会と総務担当者連絡会の2つの会を一緒にして支部長会とした経緯について説明があり、実りある支部長会へしたいと挨拶されました。次いで、宮崎幹事長より新たに支部長になられた、長田久文(神奈川)、庄司 靖(静岡)、佐原十四男(三重)、廣崎彰良(京都)、本郷基弘(岡山)、高田 茂(香川)、浜脇紘暉(高知)、7名の先生を紹介されました。
新家会長代行より、支部長会の役割は、
1.本部側からの連絡事項を支部会員の先生方に十分伝達してもらうこと、
2.支部の問題を全体で協議していくこと、
である。
支部長会のみでは不十分と判断して総務担当連絡会を開催したが、予算の関係上総務担当者連絡会を廃止した。本日の支部長では、
1.医事紛争の問題について
特にリピーターの問題について、現状を十分把握する必要があること、その上で個別の対応が必要であること、その対応の中心は医会が行う必要性があること。2.学校保健について
既存の学校医以外に、専門校医として産婦人科、皮膚科、整形外科、精神科等が関与することになること、産婦人科は性教育がその活動の中心になること、まずモデル地区として千葉市(千葉)、大阪市(大阪府)、厚木市(神奈川))からはじまり、全国規模になる予定であること。3.少子化社会対策基本法について
法案が提出され実施されること、基本的対策として、雇用環境の整備、保育サービス等の充実、地域社会における子育て支援体制の整備、母子保健医療体制の充実等がもりこまれていることの3項目について解説され、特にリピーター問題について協議を希望された。
連絡・協議事項として、
- 総務
A.庶務(田中常務理事)
ブロック会長会議について
平成15年度アンケート等調査予定(案)について
本会の組織改正について
日産婦学会と協調した事業の効率化について
B.対外広報・渉外(田中常務理事)
本年度から発足した対外広報部の活動内容について
報告された。
松岡幸一郎大分県支部長より、
本会の年間会議の見直しを要望する。支部長・総務担当両者が出席したのは12支部である。
支部長会議を12月へ持っていくのはどうか。と提案された。
田中常務理事から、
本年度初の試みであり、開催時期については次年度計画で検討する。と述べられた。
C.法制・倫理(栃木常務理事)
生殖補助医療の審議事項について
母体保護法指導者講習会(平成15年12月6日予定)について
母体保護法指定医師基準モデルについて- 経理部(飯塚常務理事)
近未来の収支・支出の予測について
共同発送による経費削減状況について- 学術研修(川端常務理事)
本年度事業の推進について
研修ノート作成の現状について- 医療安全・紛争対策部(川端常務理事)
平成14年12月13日「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」に対する日本産婦人科医会要望書提出とその後の動向について
「羊水塞栓症の血清検査事業」の実施について
福嶋恒彦福岡県支部長より、
リピーターの対策について医会で考える必要性がある。と提案された。
川端常務理事;
実態の把握が必要であり、具体的な情報の把握とその対応に関しては現在検討中である。
柿木成也鹿児島県支部長より
研修ノートに関しては、多少の収入の手段を考慮してもよいのではないかと要望された。
川端常務理事;
各学会では、医会のブースで紹介している。若手に紹介して、医会の活動を理解してもらうようにしているが、販売に関しては検討する。- 医療対策部
A.医療対策(佐藤常務理事)
調査をシステム的に行うこと
本年度の医療対策連絡会はブロック単位で行うこと
B.コ・メディカル対策(大村常務理事)
平成15年度コ・メディカル対策生涯研修会の開催について- 勤務医部(栃木常務理事)
勤務医が半数を超えている。勤務医待遇、女性医師、産婦人科新入医局員増加を中心に検討していること- 社会保険部(白須常務理事)
平成16年度診療報酬点数改定に関する産婦人科の要望事項について- 広報部(亀井常務理事)
日本産婦人科医会報を通じてタイムリーに情報を提携していきたいこと
対外広報部・情報システム部と協調していきたいこと- 女性保健部(田邊常務理事)
第26回日本産婦人科医会性教育指導セミナーについて
介護施設における高齢産婦人科疾患に関するアンケートの実施について
その他の本年度事業について
長田久文神奈川県支部長より
神奈川では、1人が校医として5校を担当し、20万位の予算をたてている。指導方法として、個別指導がよいのか、集団指導がよいのか。と質問された。
田邊常務理事より
集団指導が一般的であること
古賀詔子(女性保健委員長の立場で)より
集団指導の後、希望者には保健室で個別指導も考慮して欲しい。と要望された。
新家副会長より
現状、精神科が一番困っているようであるが、4科がそろって行う必要がある。
西野英男大阪府支部長より
本日初めて聞いた。今後十分に関連団体と協議して努力していく。
北原敬一千葉県支部長より
情報はまだ得ていない。努力していくつもりである。
と各モデル地区の支部長から現状と対応について発言があった。
柿木成也鹿児島県支部長より
生物学的なものでなく社会学的な問題をも考える必要がある。鹿児島では高校が63校、中学・小学校では膨大である。心理学・社会学の先生方の協力も必要である。PTAに対しても必要であろう。と対応策について提案された。
武者吉英山梨県支部長より
大月市ではHIV教育を含めた性教育について養護教諭と相談して行っている。教育委員会の考えは個別で行うと差別になることを危惧している。
上地弘二栃木県支部長より
性教育について平成14年度から行っている。産婦人科医師が関与しているのは60%程度である。自治医科大学看護師がカウンセリングを行っている。
西村篤乃宮崎県支部長
300万の予算で私立高校を対象に性教育を指導していく予定である。支部内の性感染症の結果が追い風になったので、予算確保が難しいがボランティア的に頑張っている。
小林重高東京都支部長より
医会の作成したものを東京支部で高校生対象に手直し、本年9月に東京都衛生局局長、都立高校校長・養護教諭等との話し合いがなされる予定である。
と各支部の現状についてそれぞれ現状の報告があった。
- 母子保健部(朝倉常務理事)
母子保健事業について
厚生労働科学研究「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」について
小規模事業所の母性健康管理に関する相談体制の整備事業について
プレネイタル・ビジット(厚労省研究班)について
村井軍一岩手県支部長より
国の政策と地域の政策が一致していないのが現状である。
松岡幸一郎大分県支部長より
現状について説明があった。3市が一致して予算を拠出、県医師会に事務局を設置、県医師会・産婦人科医会・小児科医会が予算を出して、マニュアルを統一して行っている。
小林重高東京都支部長より
関係省庁にこのような事業が行われていることをアピールして欲しい。
武者吉英山梨県支部長より
当初のPR不足が後を引いている。現在行政と相談してPRしている。本部も協力を。
朝倉常務理事より
粘り強くPRをお願いしたい。
と発言された。- 先天異常部(平原常務理事)
WHOの機関支部であり、国とも密に連携を持っていること
本年度事業の推進について- がん対策部(永井常務理事)
検診の精度管理の問題について
第10回乳がん検診用マンモグラム読影に関する研修会について- 情報システム部(佐藤常務理事)
支部メール活用状況について、- 献金担当連絡室(力武常務理事)
献金事業の推進について
各部の報告それぞれの質疑・応答が行われた。
追加発言として、
佐々木副会長より、特定生物製剤に関して報告あった(詳細はJAOGホームページ参照)。
支部提出議題
久保田順一佐賀県支部長より
開業医に助産師が回ってこない。佐賀支部では社会人枠で助産師育成を図っている。
大村常務理事;
潜在助産師についても検討している。
柿木成也鹿児島県支部長より
助産婦学校を作ることができたが、問題点は10例の症例を取り上げなければならないということと、フィールドの提供は会員に協力してもらっている。卒業生の80%が開業医に戻ってきている。
佐藤常務理事より
現在、助産師会と会合を持つ予定である。嘱託医問題を検討する。
高橋監事より
助産師会に働きかけて、佐賀支部が行っているような社会人枠を広げるようにしたい。
支部長との懇談会
田中常務理事より、
入会の手続きが煩雑であるとの声があり入会・退会手続きの簡素化等について
再入会の問題(会費未納者)
医会本部として整理して入会方法に関して知っておきたいと発言された。
最後に、佐々木副会長より、本日話し合われた内容を各支部の諸先生方に伝達して欲しいと述べられた。
以上支部長会の内容について報告しました。