平成15年11月17日放送
  第2回ブロック代表者会議について
  社団法人日本産婦人科医会幹事長 宮崎 亮一郎
 

 本日は、平成15年10月12日、雨の日曜日、本会学術集会徳島大会の期間中、クレメンテ徳島の3階、「清風の間」で午前7時から行われた、第2回ブロック代表者会議について報告します。
 本会の開催は、平成13年11月、日母大会のあり方検討委員会が開かれ、若い産婦人科医師、勤務医等の参加しやすい環境を整備するため、昨年開催された熊本大会から日本産婦人科医会学術集会と日母大会から学術集会へと名称が変更されました。
 本年度からは、本学術集会の今後の運営方法、これからの大会のあり方を検討すること、通常総会をはじめとする各医会内の会の開催について検討すること、の2点です。
既に6月28日開催され第1回代表者会議で、毎年医師国家試験受験者が8,000人、その内5年後には300名程度しか産婦人科専門医試験を受けていない現状で、周産期医療に従事する者が3分の1程度(約100名)で120万人の出産を取扱っている。そのサポート体制も含め、経費の面、若手が参加しやすいようにすること、そのための本学術集会の内容をどのようにするのか、所轄官庁の指導による定款改定により通常総会の年2回開催は、実質経費の面で負担が高い、今後事業の充実とその経費負担をどのようにしたらよいのかについて話し合いがもたれました。
 第1回開催では、本大会の継続は認められましたが、元来、本大会が学術集会を目指した大会ではなく、親睦を目的に行われたこと、地方色を保ち、経済状況の悪化という社会的問題を加味し、会員数の支部別不均衡の問題、現行のブロック内持ち回りの支部開催方法では実質的に支部負担が高い状況、産科医療を継続しながら若手ばかりでなく、開業医そのものの参加が困難になってきた状況、各種委員会や各セミナー等も大会期間中に行うなど経費の削減を図る等の意見交換が行われました。
また、通常総会については、特に旅費の問題については支部の負担やむなしとの意見が大半でしたが、これまで行われてきた経緯も熟慮して欲しいという意見でありました。
 さらに、本年度から総務担当者連絡会を廃止して、支部長会1本となりました。これに伴い支部長会に総務担当者の出席は認めるが、旅費に関しては支部持とする方向になりました。
 第1回会議で検討された内容を各ブロックの支部長会でさらに検討してもらい、秋の徳島大会内で検討することになったのが今回の会議です。

会議には、第1回会議と同様、各ブロックを代表として、各ブロック長である北海道の兼元敏隆先生、東北の永井 宏先生、関東の小林重高先生、北陸の新居 隆先生、東海の井箟重彦先生、近畿の西野英男先生、中国の砂掘公二先生、四国の福井敬三先生、九州の福嶋恒彦先生方が出席されました。
 この9名の先生方に加え本部役員は、坂元正一会長、清川・佐々木・新家副会長、飯塚・亀井・川端・田中・栃木各常務理事、私の宮崎幹事長、大村・谷両副幹事長でした。
 
坂元会長から、本会では前項の議事だけでなく今起こっている現状についても2つ程話し合いの議題にしたと挨拶の後、早々議題に入りました。

まず、
(1)乳がん検診について(永井常務理事)
8月24日の新聞報道からはじまった「乳がん検診」の問題について、報道はかなり偏見に満ちた書き方をしているが、検診の精度管理等に関しては理解可能な部分もあり、がん対策部としても複数回の検討を行い、かつ、本会の佐々木副会長と厚労省・老人保健対策課長と3人で話をもったところ、行政からは本年10月中に検討委員会を立ち上げて、新たな「乳がん検診」のあり方について検討することになったこと。ブロック長の先生方には各支部長の先生方にお願いして、支部内で行っている現行検診の体制の見直しをお願いしたい。特に、登録医の条件、また、「乳がん検診」の講習会参加状況、知識・手技の向上、インフォームドコンセントの充実し、受診者に検診の意義、位置づけを理解してもらう必要があること。
医会としては、検診のマニュアル作成、研究会の情報提供、読影研修会の開催、検診の中央での動きを広報するように考えていると報告されました。

(2)医療事故リピーターの対策について(川端常務理事)
 社会的には、医療事故のリピーターに対し、「自浄作用」が求められていること。平成14年12月13日、厚労省移動審議会分科会が、「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」その見解を発表した以降、医道審議会への提訴が続いている。平成15年5月13日、本会は医道審議会へ意見書を提出した。6月6日、国会議員達が「医療事故防止議員連盟」を設立、13日には、毎日新聞が「本会が反発文書−示談・和解応じない」と報道、一方、7月1日、厚労省医事課に「医師資質向上対策室」を設置し、患者等からの医道審議会への提訴窓口となるシステムを作ったこと。17日には「被害を考える会」が、医療事故4件以上のリピーターで主に脳性麻痺関連27件を提出しましたが、30日の医道審議会処分の発表では、産婦人科医療事故に対する直接関連するものはなかった。とその経緯について説明された後、日医の医事紛争対策が調査した結果、産婦人科の日医会員数が約5.1%、科別分類の支払い額は産婦人科が50.4%におよぶこと。平成15年度調査では、医療事故4件以上のリピーターは17都道府県であり、それが全て産婦人科関係であると言われていること。日医としては、平成16年2月をめどに、全科のリピーターに対して講習会を行う予定であるが、産婦人科に対しては医会が行って欲しい。個別の情報を医会へ提供することはなく、都道府県医師会別に対応して欲しいとしています。

本会としては、リピーター会員を守る立場を堅持することは不可能であり、指導・研修を積極的に行う予定ですが、各事例に関しても医学的に問題があるのか、社会的に問題があるのか等、十分に個々の事例に関して検討する必要があること。各支部の実情、支部の研修状況の把握、研修指導要綱の作成、無過失責任補償制度の検討をしたいと考えている。そのために、各支部へアンケート調査を行う予定である。との説明がありました。

 継続審議事項として、
(1)日産婦医会学術集会のあり方について
田中常務理事より
前回の会議より、さらに内容を煮詰めて考えていきたい。
兼元ブロック長
前回の会議を持ち帰って会員と相談したが、北海道では既に4地区に区別して対応できるようにしているが、交通機関のアクセスの問題等、ブロックの問題をどのようにするのか、本部内で検討して欲しい。
永井ブロック長
大会を行うのは賛成であるが、ブロック内で各県持ち回りという考え方には疑問がある。むしろ小大会に関しては県単位で大会はブロックに任せる方法を考えて欲しい。
小林ブロック長
ブロック内に関しては、会員数の少ない地区、交通の便の悪い地区が存在するのも関東地区の特徴である。会員数の少ない支部同士の共済、交通のアクセスの問題等も含め本部で指示して欲しい。
経費のことを考え、大会時に支部長会も含めた各委員会を加える必要があろう。
新居北陸ブロック長
大会期間中に各種委員会を開くのは大賛成である。ブロック内持ち回りに関しては既に崩壊しているものと考える。最初から考え直す必要があろう。経費の問題では会員数から合同開催もという意見があったが、開催地等の問題があり実質不可能であろう。大会経費は本部持ちにして、開催地の提供という方向で考えて欲しい。研修の内容はアクティブになっているであろう、これらを継続して欲しい。
井箟東海ブロック長
協賛金が入手困難な時代になったと思う。簡素化が必要であろう。ブロックの問題に関しては、東海ブロックは支部持ち回りが可能と考えている。
西野近畿ブロック長
各ブロックそれぞれ実情があるが、前回の問題を持ち帰り検討してみたところ、ブロック単位では引き受けることが可能であるが、ブロック内の支部単位では不可能な支部もあり、是非ブロック単位の開催にして欲しい。学術集会のあり方については、各支部の考え方に基づいて決定しては。
砂掘中国ブロック長
そろそろ結論を出すべき時期に来ている。大会の意義はあると考えるが、それをどのように延ばしていくのかが問題である。あえて苦言を呈するようないいかたになるが、若い人の参加できない大会はその存在を含めて考えるべきである。
福井四国ブロック長
続ける原点をどこに置くかで決まっていくであろう。福岡県一県と四国四県の会員数が一緒である。経費の問題は四国・中国ブロックという学会単位で現実行っている方法もある。一方、若手が参加するという手段・方法は、参加したらメリットがあるということになるが、若手だけでなく開業医も医療事故等の問題もあり参加することが難しくなっている。根本的な改善方法が必要であろう。
福嶋九州ブロック長
結論を出すための会議にして欲しい。最後の結論を得るための会にして欲しい。若い人が参加するのは必要であるが老人人口も多い。懇談会は地方色を出して欲しい。かつては懇親会に入れないような状況もあったが、時代が変わったのであろう。もし、若手に積極的に参加して欲しいというのであれば、学会が行っていない、社会保障制度、医療事故の問題、将来の医療経営状況等について討論できるよう検討して欲しい。経費の問題は、額によらないものと考える。

(2)通常総会等の開催のあり方について
田中常務理事
特に、会議費のうち交通費の削減について検討して欲しい。
飯塚常務理事
平成20年には予測値として事業費がマイナスに向かう。会議費の問題を解決できればよいと考えている。
小林関東ブロック長
案として代議員の交通費の問題を考えて、代議員数の減少、東京などの複数支部は人員を削減することが必要であろう。
永井東北ブロック長
学会の会議会場固定の問題は、地方ではかなり不評である。
西野近畿ブロック長
旅費の支給規定を見直して欲しい。支部負担は困難、半分持というのではどうか。
永井東北ブロック長
交通費の支部負担は当たり前と考えている。代議員の数は増やして欲しい。
新家副会長(私見として)
代議員の定数削減より、理事数の削減について考える必要があり、むしろ会員の代表である代議員数は増やすべきである。また、現行の理事会年6回開催数の問題、通信会議などの増加も勘案する必要がある。

田中常務理事
次回、11月29日に予定している。