●人工妊娠中絶実施報告書等の電子化 ●
厚生労働省が電子媒体を用いた各種報告書の作成を許可したことに伴い、産婦人科において現在使用されている報告書類について、具体的な検討が必要と考えられた。そこで、中央情報室としては今年度、電子媒体を用いた人工妊娠中絶実施報告書に関して、システムをどのように構築してゆくかを現状にもとづき検討し、XMLと呼ばれる、世界標準の文書交換規約を用いた具体的なモデルを作成した。人工妊娠中絶報告書の電子化についてのご提案
政府の電子化推進アクション・プランを受けて厚生省(平成13年1月6日より厚生労働省)においても申請・届出等手続をはじめとした文書の電子化への取組みが始まっている。
このような状況を受けて、日本母性保護産婦人科医会においては諸文書の電子化に積極的に対応していくため、このたび人工妊娠中絶報告書の電子化について提案を行う。
電子化を推進していくうえで、汎用性があり、簡易である方法を採用することはきわめて重要である。コンピュータの機種やアプリケーションがそれぞれ異なっている場合等にデータの交換に支障を生じるようでは問題である。近年のインターネットの発達により情報交換の方法は飛躍的に進歩してきており、利用が進んでいる。しかし、ホームページの記述言語として一般に使用されているHTMLでは、きまったタグしか使用できず、情報を表示するだけの機能しかもっていない。すなわち、情報の内容を記述し、それをもとにさまざまな処理を行ってじゅうぶん活用することはHTMLではできなかった。
それを可能にしたのがXMLという言語である。XMLとはエクステンシブル・マークアップ・ランゲージと呼ばれる記述言語の略称でHTMLの機能を拡張したものである。XMLでは、データの項目ごとにタグと呼ばれる識別データを自由に付けることができるため、データがどんな項目に該当するのかをコンピュータが判断できる。
どのデータにどのようなタグを使用するかはXMLのファイルとは別にDTD(文書型定義)と呼ぶファイルで定義する。このDTDを共有することで、複数のシステムやデータベース間で効率よくデータがやりとりできるという特長を有する。XMLによって情報の共有、検索、活用の効率を大幅に向上させることが可能となる。
XMLはプラットフォームに依存せずに、活用しうるデータを交換するための方法として電子商取引などのビジネス、新聞、放送、教育など多様な分野において世界標準として使用されており、わが国においても利用が進みつつある。官公庁においても官報や白書など公的なドキュメントのXML化がすでに進行している状況である。
次にXMLを実際に使用して人工妊娠中絶報告書を作成した実例を示す。
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