日産婦医会報(平成17年08月)日常役立つウェブサイト その2
- 産婦人科診療に役立つウェブサイト -日本産婦人科医会医療対策委員会委員 中野 義宏
はじめに
前回の医業に役立つウェブサイトに引き続き、今回は診療に役立つサイトをご案内いたします。医療についての新しい知識を教科書・医学雑誌で学んだ時代から図書館で文献検索する時代を経て、いまやオンラインで24時間検索閲覧できるようになりました。インターネットの利点は情報をいつでもどこでも迅速に手に入れることができる点です。情報の流通スピードの進歩とともにその知識は膨大かつ、変化に富み、昨日の常識が今日の非常識になることもあります。このような時代に知識は〈覚える〉以上に〈検索できる〉ことが大切になりつつあります。また、サイト情報の真贋性については保証されるものではなく、個人で判断しなければなりません。
文献・検索のサイトの紹介
医療で一番使われると思われるウェブサイトは文献検索ではないでしょうか。海外文献についてはMEDLINE など無料で使えるサイトは比較的一般的ですが、利用しやすいのは和文文献でしょう。医学中央雑誌が有名です。数年前まではCD で配信していましたが、インターネットが普及した現在、オンラインでの検索も手軽になりました。法人での利用(高価ですが)ももちろん可能ですが、比較的安価な個人利用をお勧めします。「医中誌パーソナルWeb」は、個人ユーザー向けのサービスで、ソネットエムスリー株式会社の医療従事者向けサイト「m3.com」で、有料情報サービスの1メニューとして提供されています。「m3.com」では“今日の診療”や“今日の治療薬”などまとめて契約できます。
英論文検索ではMEDLINE よりさらに便利に使えそうで注目のGoogle 提供「Google Scholar(Beta)」です。今のところ試用版ですがWeb上のあらゆる分野の学術雑誌論文、文献、仮説、抄録などを引用論文も含めて検索することができます。学会関連のサイト
学会のスケジュールや抄録の登録でよく利用されるのは大学病院医療情報ネットワーク研究センター提供サイト「UMIN」です。インターネットによる学会抄録の提出でよく使われていますが、医療情報の総合サイトとして研究・学術支援の様々なコンテンツを提供しています。日常診療が忙しく学会になかなか参加できないが、聴講はしたい!という場合は、ネット上には講演の動画配信もあります。登録すれば無料です。
日常診療に役立つサイト
日常診療で使うウェブサイトは、記憶のあいまいな他科の疾患の情報や薬、検査の情報ではないでしょうか。手軽に調べたい薬剤に関する情報は、一般企業の提供するコンテンツが便利です。また検査などはインフルエンザやSTDから予防接種まで感染症に関する様々な情報は、国立感染症研究所、感染症情報センターが情報提供しています。
ご紹介させていただいたサイト以外にも多くの優良コンテンツがあります。Yahoo やGoogle など検索サイトを利用して役立つサイトを探してみてはいかがでしょうか。
その他の役立つサイト
- メディカルオンライン 従量制もあり
- Pub Med 英文検索
- 学会・動画配信
メディカルチャンネル ソニーの提供する学会動画コンテンツ
MedicsTV:医療情報・講演の動画配信- 検査
SRL:検査項目リファレンスなど- 医療情報ポータル(総合)サイト
メディカルコミュニケーション 多彩な情報