調査結果 covid-19についての実態調査(2021年)
抜粋版(PDF;A4版1枚) 調査結果(PDF)
医療安全部では、感染妊産婦の発生状況、重症度の割合、感染管理中の分娩状況など調査する目的で、2020年の調査に引き続き、2021年7月から8月に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての実態調査」(2020年7月~2021年6月分)を行いました。
この時期はCOVID-19の第5波の時期にもありましたが、多くの皆様にご回答をいただきありがとうございました。集まったデータについての解析結果を以下のようにまとめましたので、ご報告させていただきます。各調査項目についての結果の詳細につきましては、(調査結果PDF)をご参照ください。
今後、再びCOVID-19の再拡大によって混乱した状況の発生が危惧されています。今回お送りいたします抜粋版とアンケート調査結果をご活用いただき、今後のCOVID-19の対策にお役立ていただけましたら有難く存じます。
調査結果の概要:
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分娩取扱い医療機関2,135施設を対象に行われ、1,288施設(回収率60%)から回答を得た。
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COVID-19と確定診断された妊婦が妊娠37週以降に陣痛発来・破水した場合の分娩様式は、大多数が感染適応の帝王切開であったが、濃厚接触者では、その対応は分かれた。
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分娩取り扱い施設の約半数が、COVID-19のスクリーニング検査を実施しており、その陽性率は0.08%であった。
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2020年7月-2021年6月(第2から4波)までの12か月間に、1,531人の陽性妊産婦の報告があり、おおよその有病率は0.6% [1531/255,495 (報告施設の分娩数)]であった。
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第2から4波へと本邦の感染者数の増加にともなって、妊婦の感染者数も増加した。
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妊産婦の感染経路は、家庭内感染が50%と最多であった。
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有症状の妊婦の8%に酸素投与を要し、7%が重症(呼吸不全)であり、高年齢、妊娠末期の妊産婦で重症化しやすい傾向があった。妊産婦死亡事例の報告はなかった。
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感染妊婦で分娩管理を要する例が216人いたが、出生児への感染の報告は無かった。
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本調査からの提言:
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COVID-19感染拡大の第2波、第3波、第4波と感染妊婦の数は増加している。感染妊婦の管理を行う産科医療施設の分娩数の1%に感染妊婦が発生すると考え、病床の確保を行う必要がある。
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第2波、第3波、第4波と次第に重症化する妊婦の割合が増加しており、次の感染拡大の局面では、さらなる産科医療の逼迫に警戒する必要がある。
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妊婦のCOVID-19感染では、妊娠末期の発症する例、分娩管理を要する例が増加傾向にあり、感染妊婦の分娩に対応できる施設の確保が必要である。
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