23. 骨格胎児の形態異常(骨格)

 脊柱が頭頸部から仙尾部まで矢状断で確認します。なるべく、胎児の背中側が母体の腹壁側にある時(第1分類)に観察したいです。子宮壁にくっつかないように少しプローベを浮かし、隙間を作ると、背中の病変の見落としが少なくなります。肋骨についても左右対称で膨らんだ形になっているかをみます。
 四肢をそれぞれ確認し、長さ、バランス屈曲の具合などをみます。手指についても可能であれば観察します。

髄膜瘤・二分脊椎

 脊椎にみられる異常で頻度が多いのは脊髄髄膜瘤です。その他、仙尾部奇形腫などがあります。嚢胞が大きいものは見つけやすいですが、小さいものは難しいものが少なくありません。正中で脊椎が均等にならんでいるかを確認し、欠損がある場合疑います。また、頭部の項目でも説明しましたが、前頭骨の陥凹(レモンサイン)、側脳室の拡大、小脳の変形(バナナサイン)などを認めることも多いので、合わせて観察します。二分脊椎の診断は難しいですが、同様に行います。

骨系統疾患

長管骨の発育が悪くなり四肢短縮などを認めます。FLなどが、-4SD以上小さい場合は強く疑い、FL以外の長管骨の長さを測定し、基準値と比較します。骨系統疾患では、頭蓋骨の変形や、逆に頭部の拡大、BPDが大きくなる場合がありますので、そのような場合も疑います。