24. ステップアップ12(CTGの限界)

 ここでスタートアップ、ステップアップと続いたベーシックコースは終了である。ここまで学んでいただき、最後に「CTGの限界」は申し訳ないが、それが現実である。アドバンスコースでは様々な背景がCTG所見、ひいては胎児に及ぼす影響を体験いただく。

1.CTGの限界(図1)

CTGには限界がある。胎児が健常であることは判読できるが、どのくらい悪いか正確に判読できない。思いつくまま問題点を挙げたが、もっと、言いたい方もいるであろう。
 低酸素状態への胎児の対応も、必ずしもここで示した順番で起こるとは限らない。突然徐脈から出現することもあるし、繰り返す遅発一過性徐脈が改善することもある。しかし、これらの不安定性をよく理解した上で評価を行わなくてはならない。
 また、CTGだけに固執してはならない。妊婦や胎児の背景、分娩の進行状況、施設の機能、スタッフの力、すべてが揃って分娩は成功するのである。

2.ステップアップコース終了(図2)
 お疲れ様でした。ここでステップアップアップ(1−12)終了です。
 ご覧いただく通り、死の谷(Valley of Death)は遥か後方に消え、知識は大幅に増加したはずだ。しかし、マイスターになるためにはここからが重要である。高度な知識の頂に到達するには、いましばらく続く平坦な坂道を、辛抱強く登らなくてはならない。
 ジャンプアップはその先に突然やってくる。(はずだ)

 チェックボックスをチェックしてください。
□ 圧受容器、化学受容器、自律神経機能は理解できた。
□ 胎児が健全であることは明確に判断できる。
□ 低酸素状態への胎児の対応を理解した。
□ 心拍数波形のレベル分類を使用できる。
□ CTGの限界を知っている。

3.予告編(図3、4)

 ジャンプアップではよりアドバンスな症例たちが待ち受けている。ここではその一部を示す。

A. この波形は何の前触れか?
B. 一体何が起こっているのか?
C. 何が問題か?
D. どうすればこんな波形が出現するのか?

 それぞれ、お分かりになるだろうか。解説はジャンプアップでご覧いただく。