32.衛生行政報告例を御存じでしょうか?

2025年になり、産婦人科ゼミナールでの連載もだいぶマンネリ・疲弊してきましたが、今年も些細なことでもネタがあれば、アップしたいと思いますのでお付き合いください。

さて、今回は衛生行政報告例について取り上げます。厚生労働省は、毎年度様々な統計調査を行っていますが、医療分野の統計調査の一つが衛生行政報告例です。
厚労省HPでは、平成12年度の衛生行政報告例から精神保健、栄養、食品、衛生、薬事に関する調査結果が掲載されており、平成14年度例から母体保護関係の項目が加わり、不妊手術と人工妊娠中絶届出件数(統計は1989年の平成元年度から)が掲載されています。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450027&tstat=000001031469

以前は、梅毒血清反応検査被検査者・陽性者数,検査対象者・都道府県-指定都市・中核市別とか、性病病院-診療所における治療患者延数,費用負担区分別;新患者数,入院-外来・病類・都道府県-指定都市・中核市別も記載されていました。

そういうわけで、人工妊娠中絶の 年齢別 件数に関する(表1)データの出典は衛生行政報告例の結果の概要から確認が可能です。

(表1)

それでは、人工妊娠中絶の週数別件数に関する(表2)データはいかがでしょうか?
先程の衛生行政報告例の結果の概要のサイトからは見当たりませんし、衛生行政報告例で検索しても表2のデータは出てきません。

(表2)

表2を依頼原稿等で提出すると、出版社から「出典元の衛生行政報告例に記載されていません」と問合わせがくる場合が時々ありますが、実はこれも衛生行政報告例のデータになります。
どこに記載されているかというと、「衛生行政報告例 e-stat」と検索すると、

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450027&tstat=000001031469

のサイトが存在し、こちらからデータを確認することが可能です。

 論文検索とかでもそうですが、検索キーワードを含め検索の仕方次第では実在する必要な情報が取れない場合があることを実感する一例と考えます。