7.分娩予定日決定が肝

妊娠週数の決定(分娩予定日の決定)とは、授精日を推定し、その後の妊娠における胎児発育等を評価させるための基準となることから、厳密に決定されなければなりません。

以下の順で、分娩予定日を正確に決めるのがよいとされています。

1) 授精に関する明瞭な情報がある場合(基礎体温、限られた性交日、人工授精、体外受精の日)、それを最優先して妊娠2週0日とする。

2) 月経周期が正順(28-30日型)で、最終月経が正確にわかる場合は、最終月経初日を0週0日とする。

3) 月経周期が不明または、不順であり、1)の授精に関する情報がない場合は、超音波所見によって精度の高い所見を優先して予定日を決定する。

a. CRLが15-30mm(妊娠8-10週相当)に計測するのが最も誤差が少なく、精度は±4日以内である。

b. BPDが20-30mm(妊娠12-15週相当)の時、CRLについで正確な測定日決定法であると考える。BPDについても、上記時期では±4日以内の誤差である。

c. その他、これらの情報がない場合は、前回、前々回に示した画像と比較し、直感的に週数を決めることとなる。

産科ガイドラインでは、分娩予定日が7日以上異なる場合は、超音波の値を採用し。。。とありますが、正確性を期するため、私は4日以内で修正しています。正確な児の測定(CRLが14-41mm)は、前述の如く、実際の胎齢の±3.62日以内の誤差であるということが知られていますので(胎児超音波計測の標準化と日本人の基準値、日本超音波医学会誌 2003)、超音波を生業とする先生方は、以前からそのようにしていることと思います。

 また、欧米では妊娠11-13が最初の超音波検査である場合が多く、妊娠10週以前に経腟超音波を使って予定日を決定する習慣がありません。ですので、海外のガイドラインは、本邦におけるものと若干違います。

妊娠12週のCRL
欧米ではこのCRLで予定日の確認を行う。よって、断面の細かいルール、胎勢などの条件が定められており、熟練を要す。