(1)性教育が必要な理由
・ 2016 年の年齢別出生・中絶統計(表34)に示すように,子どもたちの性の実態は「中学校で性交や避妊を取り上げるべきではない」などと悠長なことを言っていられないのは明白である.
・ 予期せぬ妊娠が起きる背景には以下のことがある.
1.性行為がある
2.妊娠の仕組みを知らない
3.避妊の知識がない
4.妊娠週数の数え方を知らない
5.中絶は 21 週 6 日までということを知らない
6.自分の身体についての知識がない
・ 予期せぬ妊娠出産は貧困や DV につながり,その中で子どもたちは居場所を求めて SNS で知り合った男性とまた予期せぬ妊娠を繰り返す.妊娠・避妊・性感染症などに対する正しい知識を持ち,自ら考え,自らの意思で行動できるようになることが,この負の連鎖を食い止める 1 つの方法であり,義務教育が終わる中学校卒業までに教えておかないと間に合わない.そして,それを担うのが性教育である.