(3)ホルモン要因
・エストロゲン受容体やプロゲステロン受容体は,子宮の内側筋層に多く分布しており,内側筋層の蠕動運動は,卵巣ホルモンの影響を受け月経周期により変化することが知られている.蠕動運動により子宮平滑筋組織が機械的損傷を受けることが,本症発生の原因であろうという説があり,その背景には本症の発生に卵巣ホルモンの影響があると考えられる.
・本症がエストロゲン依存性の疾患であることを示唆するその他の報告として,エストロゲン合成にかかわるP450アロマターゼの本症病巣組織での発現を示す報告,タモキシフェン使用女性での本症有病率が高いとする報告がみられる.