- 診断基準としてSapporo criteria,2006年シドニー改変(表18)が利用されている2).
- APSの約半数がSLEを合併している.APS合併妊娠は,血栓症のリスクが上昇し,流死産,妊娠高血圧腎症などの妊娠合併症のリスクが高い.
- APS合併妊娠では妊娠初期からの低用量アスピリン+ヘパリン療法が推奨される.
- APSの臨床所見がない抗リン脂質抗体陽性(特にLA陽性)でSLEを合併している場合には,低用量アスピリン療法あるいは,低用量アスピリン+ヘパリン療法は容認される.
- APSの臨床所見がない抗リン脂質抗体陽性症例でSLEを合併しない場合は,低用量アスピリン療法やヘパリン療法は必ずしも推奨されない.
文献
- 2) 平成27 年度日本医療研究開発機構成育疾患克服等総合研究事業「抗リン脂質抗体症候群合併妊娠の治療及び 予後に関する研究」研究班:抗リン脂質抗体症候群合併妊娠の診療ガイドライン1 版.南山堂.40-44,2016 (http://boseinaika-gakkai.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190204143451-4B2EBC6C57C8F0010F436B277CEE05A90F1E4FB27B40462C30694A4C9A9B9D1C.pdf)