(4)原発性無月経の治療

・ 視床下部・下垂体の障害および卵巣の障害による原発性無月経ではエストロゲンが低値である.エストロゲンの投与は第二次性徴を発来させて子宮の発育を促し消退出血を起こすとともに,骨量増加と維持に重要な役割を果たす.このため子宮を有する女性ではエストロゲン製剤にプロゲスチン製剤を併用した女性ホルモン補充療法(カウフマン療法)を行う.子宮がない場合はエストロゲン製剤単独の補充を行う.近年では,エストロゲン製剤として経口薬ばかりでなく経皮吸収剤が用いられる.
・ アンドロゲン不応症に代表されるXY 女性では,思春期以降に性腺の悪性化が見られるため,予防的性腺摘出術を行う必要がある.腹腔鏡下の手術が行われることが多い.手術を行う際にはこの疾患に対する十分な説明と患者側の理解が必要である.