(5)若者の性にどう迫るかを結語に
・ 計画していない妊娠の防止と性感染症予防を主題とした性の健康教育を担当するに際しての基本的なスタンスを以下に列挙した.
① 経済的な自立が図られていない若者にはわずかな期間でもいいから性交のチャンスを先延ばしするように求めている.ただし,これは禁欲を意味するものではない.
②男女ともに,性的欲求を上手にコントロールするためのマスターベーションの勧め.
③ 避妊と性感染症予防には必ずコンドームを使うように教えることは当然だが,仮にコンドームの破損や脱落があった場合には緊急避妊法の存在を知らせておく.
④ Dual Protection(二重防御):「OC のように女性が主体的に使える避妊法を最優先し性感染症予防にはコンドームを」と強調する.
文献
1)日本性教育協会編.『若者の性』白書 第8 回青少年の性行動全国調査報告.2019.
2)日本家族計画協会.第8 回男女の生活と意識に関する調査報告書.2017.
3)日本産婦人科医会.10 代の人工妊娠中絶についてのアンケート調査結果.2002.
4)北村邦夫.避妊法とその指導 総論 ライフステージに応じた効果的な避妊指導とは?女性医学ガイドブック思春期・性成熟期編(日本女性医学学会編),金原出版.2016,234-240.
5)北村邦夫.生涯研修プログラム クリニカルカンファレンス7(女性ヘルスケア)- 普及率を上げるための提言- 1.経口避妊薬の普及率を上げるための提言.日本産科婦人科学会雑誌.2014,66(9),2127-2131.
6)北村邦夫.新時代のホルモン療法マニュアル,緊急避妊.産科と婦人科 Vol.86 Supple.2019,158-165.
7)Rinehart W, Rudy S, Drennan M. GATHER guide to counseling. Population Reports. Series J: Family Planning Programs.1998,48,1-31.