(7)ワクチンの副反応
- 妊娠中に投与する機会が多いワクチンは新型インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスである.
- 新型インフルエンザワクチンの妊婦での副反応の発症頻度は1万分の1,うち重篤なものは10万分の2であり,これは全体の発生率と変わりない.
- 「妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種に関するWEBアンケート調査」での報告によると副反応で最も頻度が高かったのは接種部位の疼痛で1回目,2回目ともに90%以上でみられた.接種局所の副反応は1回目と2回目で発生頻度に大きく変動はみられなかったが,発熱,倦怠感・疲労感などの全身的な反応や頭痛,消化器症状(嘔気・嘔吐,下痢,腹痛),関節痛などの接種部外の副反応は1回目よりも2回目で多くみられた.接種後に腹緊や子宮の痛みを経験した妊婦はいずれも3%以内であった.出血,胎動減少,浮腫,血圧上昇,破水のような重大な症状が出現したのは1%以下の頻度でみられた.しかしながらこれらの症状は接種を受けていない妊婦でも一定の頻度で出現するため,予防接種がこれらの症状にどの程度影響していたのかは分からない.