(7)SLE
- SLE合併妊婦では早産,胎児発育不全,妊娠高血圧症,子癇のリスクが2~4倍上昇する(Clowse,2008).SLE合併妊婦の30%が抗リン脂質抗体陽性で流産率が上昇する.
- SLE腎症合併妊娠の30%で妊娠高血圧腎症が起こるとの報告がある.また,SLE合併妊婦において,自然流産16%,胎児発育不全13%,死産4%,新生児死亡3%,SLE再燃26%,高血圧合併16%,腎炎合併16%,妊娠高血圧腎症合併8%との報告がある(Smyth,2010).抗SSA抗体,抗SSB抗体陽性の場合は胎児完全房室ブロックや新生児ループスのリスクが上昇する.
- 妊娠のSLE活動性に対する影響は確立していないが,妊娠前6カ月以上の寛解維持が妊娠合併症のリスクを低下させるとの報告もある(Cavallasca,2008).