3.抗菌薬
- 産褥期感染症(SSI・子宮内膜炎・壊死性筋膜炎・尿路感染)の予防のため,手術開始前60 分以内(不可能なら執刀開始後,可及的速やかに)の投与が推奨される.
- 以前は新生児への移行を考慮し臍帯結紮後に投与する方法が推奨されていたが,新生児には影響を与えないとされる報告から現在はその他の外科手術と同様に皮膚切開前が推奨されている.
- The American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)のガイドラインでは,予防的投与は単回投与でよいとされており,筆者らの施設でもセファゾリン1g の単回投与としている(ただし,体重80㎏以上なら2g,120㎏以上なら3g に増量することが望ましい).
- 子宮内感染症例などでは2~3日間使用することが望ましい.
- 既破水でGBS 陽性もしくは不明の症例ではアンピリシン・スルバクタム 1.5g などで保菌している菌量レベルを下げることが望ましい.
- わが国の術後感染予防抗菌薬適正使用ガイドラインを表1に示す.