(1)少子化と高齢化は止まらない
わが国の少子高齢化は,すさまじい勢いで進行している.総人口は,2008年をピークにその後減少に転じており,「国勢調査」によると平成27年10月1日現在では1億2,709万4,745人,生産年齢人口(15歳~64歳)は76,289万人.14歳以下の推計人口は1982年から連続して減少が続いている(図1,表1).
合計特殊出生率は,1984年(昭和59年)の1.81から,2005年(平成17年)には1.26の最低を記録した.その後1.3~1.4程度で推移し,2017年(平成29年)では1.43で,出生数は946,065人にまで減少し,2018年は918,397人まで減り,いよいよ90万人を割る日も近くなり少子化に歯止めがかからない(図2).
国勢調査による平成2(72015)年の日本の総人口1億2,709万人を基準にした国立社会保障・人口問題研究所の出生中位推計による将来の人口推計の結果によれば,この総人口は,以後長期の人口減少過程に入る.2040年の1億1,092万人を経て,2050年には1億人を割って9,708万人となり,2060年には8,674万人になるものと推計されている(図1).
また生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じており,平成27年には,7,592万人であったが,2030年には6,773万人,2060年には4,418万人(2015年比で45.9%減)にまで減少すると見込まれている(図1).
一方,高齢化率は着実に上昇しており,昭和59年の9.9%から2015年では3,332万人,高齢者率27%に上昇し,2040年には3,868万人,高齢者率36%にまでも上昇すると推定されている(図1).