11.悪性疾患(乳癌,婦人科癌)

  • 日本産科婦人科学会研修施設と全国のがんセンター122施設を対象に実施された悪性腫瘍合併妊娠に関する調査によると,2008年1年間の妊娠および分娩後5カ月以内に診断された悪性腫瘍225例で,前がん病変を含めた子宮頸癌が162例(CIN3が62%を占める)と最多で,卵巣癌16例,乳癌14例,その他33例であった1)
  • また,2014年の411施設に対する調査では分娩に至った215,372例中189例(0.09%)で悪性腫瘍が認められ,頻度が高かったのは子宮頸癌(36%),乳癌(24%),卵巣癌(15%)であった2)
  • 海外と異なり,国内においては子宮頸癌合併妊娠の頻度が最も高いと考えられる3)

文献

  • 1)須藤保.妊娠関連の悪性腫瘍に関する研究.厚生労働科学研究費補助金,成育疾患克服等次世代育成基板事業, 平成24 年度 総括・分担研究報告書,研究代表者:池田智明
  • 2)Kobayashi Y, Tabata T, Omori M, Kondo E, Hirata T, Yoshida K, et al. A Japanese survey of malignant disease in pregnancy. Int J Clin Oncol. 24: 328-333, 2019
  • 3)日本婦人科腫瘍学会編.子宮頸癌治療ガイドライン2022 年版,第7 章 妊娠合併子宮頸癌の治療.東京,金原出版.2022