2.事故発生時の対応:各論1(1)
(1)初期対応
1.患者への応急措置
- 応援要請・人員確保・早期から集学的治療を行う.
- 患者に声をかけ続ける.
- 患者プライバシーに配慮する.
2.患者への配慮と家族への連絡
- 事実を簡潔に伝える.
- 傾聴と共感の姿勢を重視する.
- 相互のやりとりを記録する.
3.現場の保存と事実関係の記録
- 事態の把握のために現場をフリーズする(臨床データ・薬剤の保存・医療器具の保管).
- 時刻合わせして経過を確認する.
- 医療事故発生時の状況と経過を正確に記録する.
- 記載内容は事実のみを客観的に記載する.
- 事実と異なる記録や記録の改ざんは絶対に行わない.
(2)院内での報告・検証など(患者・家族対応チームとは別チームを構成)
- 施設内で報告する(部署責任者,医療安全部門,院長).
- 一次検証を行う(関係者からの聞き取り,現地調査).
- 事故調査の要否・方法を検討する.
(3)死亡事例の対応
- 剖検を実施するか検討する.
- 警察への異状死の届出が必要か判断する(24 時間以内に届出,診療記録をコピー).
- 医療事故調査制度の対象該当性について判断する.