2.災害時の各種情報システム
大規模災害時の情報システムとしては国土交通省が2015年9月より運用を開始している統合災害情報システム(DiMAPS:integrated disaster information mapping system)がある.地震や風水害などの自然災害発生時にいち早く現場から収集した災害情報を地図上に分かりやすく表示するものであり,道路,鉄道,空港などの交通網, 河川,ダム,土砂災害などの状況に加え,下水道,官庁施設の被害状況に至るまで幅広い情報が提供されている.
広域災害救急医療情報システム(EMIS:emergency medical information system)は,1995年に発生した阪神・淡路大震災を契機に厚生労働省が構築を進め,2006年から現在の形で運用が開始され各都道府県に導入されている医療情報システムである.災害医療情報を収集し被災した地域における超急性期から急性期の診療情報を即時に集約して都道府県,医療機関,消防などの関係機関に提供することで被災した都道府県の枠を超えて医療機関の稼働状況などを共有し,災害時の患者搬送やDMATの支援にも活用される災害救急医療のポータルサイトである.
日本産科婦人科学会大規模災害対策情報システム(PEACE)は日本産科婦人科学会が開発したいわば「産婦人科版EMIS」であり,周産期医療に特化した災害時情報を集約する情報共有システムである(22頁参照).
またHP上にアクションカードも用意してあり有事に備え準備する際に役立つ(図18).