(4)復帰支援としてのシム
・産婦人科の入局者の過半が女性となって久しい.子育てや家庭の事情などにより一時休職をせざるを得なかった女性医師の復帰は喫緊の課題である.復帰支援として就労条件に多様性をもたせることは,かねてより注目されている.しかし,復帰にとって大きな障壁が,休職による自身の医療内容への不安や知らない世代との協働であるといわれ,不安解消のための再教育のニーズが高いことは注目されていない.
・日本医師会も女性医師が働き続けるために,復帰のための研修を整備するよう提言している.既に岩手県や東京女子医大など一部の自治体,大学では離職時の就業状態と期間に応じた研修が行われている.
・シムはその高い学習効果だけでなく,新しい仲間とのチーム医療の体現や忘れていた臨床の面白さや勘を思い出すことによる自信が,さらに復帰へのモチベーションとなることが報告されている.