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ホルモン補充療法のすすめ 目次 |
自分にあったホルモン補充療法をうけましょう ホルモン補充療法には、卵胞ホルモンと黄体ホルモン剤を用います。卵胞ホルモンには子宮内膜を増殖させるという好ましくない作用があるので、黄体ホルモンを併用し、これを抑制することが必要です。ですから子宮を摘出した女性には、必ずしも黄体ホルモンの併用の必要はありません。
女性ホルモンの服用法はこのようにひとによってちがいます。次ページの例を参考にして、産婦人科医の指導のもとに服用してください。
(注意)
ホルモン補充療法をはじめたら、夕食後や就寝前など大体の時間を決めて、毎日きちんとくすりをのんでください。不規則なのみかたをすると不正出血の原因になります。のみ忘れたときは、翌日早めにのみましょう。
服用期間
- ● のぼせ、発汗の治療が目的の場合
- 約8週間程度の服用で、一般にはこれらの症状が改善します。ただし、くすりをのむのをやめると、症状がぶり返すことがあります。
- ● 萎縮性腟炎や性交痛の予防や治療、骨粗しょう症や動脈硬化の予防が目的の場合
- 閉経期ころから服用をはじめると効果が高まりますが、年をとってからはじめても効果があります。最低5年間はつづけ、問題がなければ、さらに10年、15年とつづけます。ひとによっては一生のみつづけることも可能です。骨粗しょう症や動脈硬化などのからだの異常は、としをとるにしたがって少しずつ進行しますから、できるだけ長くホルモン補充療法をつづけることをおすすめします。
ホルモン補充療法の種類
- A 周期的併用法(間欠法)
- おもに閉経前後の女性に用います。卵胞ホルモンを21日間のみ、のみはじめて12日目から10日間※黄体ホルモンを一緒にのみます。その後1週間くすりをのまない期間をおいて(休薬)、ふたたびくすりをのみはじめます。毎月、月経のような子宮出血があります。
※黄体ホルモンは10〜14日間服用する場合もあります。
卵胞ホルモン
1日1錠21日間休薬 月経
卵胞ホルモン
1日1錠21日間休薬 月経
黄体ホルモン
黄体ホルモン 1日1錠10(-14)日間
1日1錠10(-14)日間
- B 周期的併用法(持続法)
- おもに閉経前後の更年期症状の強い女性に用います。卵胞ホルモンは毎日休まずにのみつづけ、黄体ホルモンのみ毎月1日から10日間※のみます。黄体ホルモンをのみ終った後に、たいてい月経のような出血がありますが、出血のないときもあります。
※黄体ホルモンは10〜14日間服用する場合もあります。
卵胞ホルモン 1日1錠/食後服用
黄体ホルモン 月経
黄体ホルモン 月経
1日1錠(-14)日間
1日1錠(-14)日間
毎月1日から服用 - C 持続的併用法
- おもに閉経後数年たった女性に用います。卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方を毎日のみつづける服用法で、3〜6カ月間は不正出血をみることがありますが、やがて出血はみられなくなります。「毎月月経のような出血があるのはいや」というひとにむいています。
卵胞ホルモン 1日1錠/食後服用 黄体ホルモン 1日1錠/食後服用 - D 持続的単独法
- 子宮を摘出した女性に用います。子宮がありませんので、出血もおこりません。
卵胞ホルモン 1日1錠/食後服用 - E 卵胞ホルモンパッチ剤
- 卵胞ホルモンパッチ剤をおなかにはりつけて皮膚から吸収するはり薬で、1日おきにはりかえる必要があります。直接皮膚から吸収されますので、胃腸や肝臓に負担をかけることはありません。皮膚アレルギーのあるかたや、アルコールでかぶれやすいかたは産婦人科医にご相談ください。