情報処理検討委員会
- 目 的
- 日本産婦人科医会支部事務局のシステム環境を調査し、事務運営の能率化を検討する。また、ホームページ充実を図るため、会員・非会員の情報ニーズを探る。
- 方 法
- 日本産婦人科医会支部長宛に、平成15年2月度の支部月例連絡で調査用紙を配布した。
- 回収率
- 回収率は、93.6%であった。
- 結 論
- 支部月例連絡を電子メールで送信している支部は37支部あるが、送付されたものの活用度については、まだ十分でない。
支部への電話による問い合わせは、会員からは社会保険や母体保護法に関するもの、一般(非会員)からは、医療機関(不妊治療・女性医師等)の紹介が多かった。
人工妊娠中絶実施報告を電子媒体で受けたことのある支部は皆無であった。- はじめに
- 平成11年度から支部に対してのシステム調査を行っている。調査内容は、事務局のパソコン設置状況やインターネット接続状況などのハード面から、メール利用度やインターネットを通して求める情報などのソフト面に渡っている。支部のパソコン所有率、メール利用率は年々上がり、現在は90%以上のパソコンを利用し、80%近くの支部とメールでのやり取りができるようになっている。平成14年度には、本部からの支部月例連絡を郵送と並行してメールでも送信することを始めた。
- 結 果
- 1)支部のホームページ
福島県、東京都、山梨県、石川県、愛知県、鳥取県、愛媛県、宮崎県(試作中)では、支部でホームページを開設している。これらの支部ホームページへ日本産婦人科医会ホームページからリンクを行った。
2)支部月例連絡の受け取り
平成14年度末現在、37支部が支部月例連絡をメールで受け取っている(図1)。
残りの10支部の状況は、支部として利用できるメールアドレスを所持しない支部が7支部、利用できるパソコンのない支部が2支部ある。その他の理由には、人材不足、ウイルス対策不足などがあった。
また、支部月例連絡を受け取っている支部でも、その活用はまだ有効ではない。用途を「保存のみ」としている支部が24支部(64.9%)もあった。次ぐ用途としては、「会議資料として出力する」が多かった。
(図1)電子メールで事務連絡可能な支部
3)本部にWeb公開を求める情報
Web公開を求める情報としては、次のようなものがあった。報道に関する見解、会員からの問い合わせについてのQ&A、各種調査結果、社会保険の動き、コ・メディカル、母子保健、日常診療に役立つ情報、研修会情報(開催日程)、各種会議録。また、会員異動の連絡をメールで行いたいという支部もあった。
4)会員や非会員からの問い合わせ
電話による相談は、支部が医師会にある場合、医師会の相談窓口で対応されているようである。会員からの問い合わせは、社会保険に関するもの、母体保護法に関するものが多かった。一方、一般(非会員)からの問い合わせは、医療機関(不妊治療・女性医師等)の紹介依頼が最も多かった。
5)人工妊娠中絶実施報告の電子化
支部会員から提出される人工妊娠中絶実施報告書の事務処理は、「医師会で処理」と「医師会から委託されて支部事務局で処理」が、ほぼ半数ずつであった。
また、人工妊娠中絶実施報告を電子媒体で受けたことのある支部は皆無であった。- 考 察
- 全支部とメールで事務連絡を取り合えるようにすることにより、事務の簡便化・迅速化、経費削減等が見込まれる。事務連絡に利用できるメールアドレスを持たない支部に対し、管理やセキュリティでの問題を踏まえ、日本産婦人科医会でアドレス(xxx@jaog.or.jp)を作成することを検討する。
支部へ送付しているPDFファイルの活用については、検討を進め、その結果を支部へ報告し、送付書類の活用を図りたい。
Web公開を求められた情報については、担当部との協議が必要と思われる。Web公開の手順を明確にした上で、担当部に対し、各部が所有する情報のWeb公開を依頼する。また、会員や一般からの問い合わせについても、Web公開で対応できるものについて検討が必要である。
人工妊娠中絶実施報告の電子化の具体的検討を進めている。これは、会員がパソコンに入力した必要事項(デジタルデータ)を支部で取り込むことにより、現在、支部で行っている入力や計算の作業が簡便化される。更に進めて、プレグランディン腟坐剤使用報告についてのデータも付加することにより、会員の報告義務や支部の作業も簡便化されると思われる。今後、どのように運用に移行するかの検討が必要である。