医事紛争対策部

 

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〔本年度新規事業は斜字

 
[4]医事紛争対策部 
 社会情勢は、バブル崩壊を契機に、あらゆる分野において新たな概念による変革が求められる時代へと推移している。PL法、新民事訴訟法、診療録開示、少子化、自己責任、Y2K(2000年問題)、そして世紀の区切りを迎えることへの心理的な対応等々、その余波は、確実に産婦人科領域における医事紛争・医療事故対策にも及び、波紋をもたらしている現状である。
 当部では、変貌する社会情勢に惑わされることなく、“人間は過ちを犯すものである”とのリスクマネージメントの考え方を根底に置き、医療事故防止こそ、医事紛争・医療事故防止対策の普遍的理念であるとの認識のもと、以下の事業を通じて、適正な産婦人科医療の啓発を図る。
 小冊子発行により、「妊娠婦死亡の軽減」を目指しながら、会員が不測の事態に直面した場合に、参考となりうる資料の整備にも重点を置く。日本医師会をはじめ、各支部や関連各部とも綿密な連携のもとに、医療事故防止対策と医事紛争対策の事業を遂行する。

 

1.医療事故防止対策
(1)「第11回全国支部医事紛争対策担当者連絡会」の開催
当部では、2年に1回、全国支部医事紛争対策担当者連絡会を開催し、現在会員が関わりを持ち、理解しておかなければならない問題や、会員が身近に有する医療事故に関する問題点などを協議している。
本年度は平成12年11月23日京王プラザホテルにて開催する予定である。
医療事故発生時の初期対応や、産婦人科診療を進める際、必ず患者に説明し、同意を得るべき項目、カルテに記載すべき項目をまとめ、協議する予定である。
(2)小冊子「これからの産婦人科医療事故防止のために」の作成
経済性と速報性を加味し創刊した本冊子を平成9年より発行し、わが国の「妊産婦死亡の軽減」目指している。
本年度は、近年増加傾向にある帝切時の麻酔事故への対応とし、帝王切開時における脊椎麻酔を取り上げ、安全指針を盛り込んだものを作成する。
また、診療を進めるに際し患者に説明し、同意を得なければならない事柄や、カルテへの記述項目を網羅した冊子を作成し、診療情報開示に対応する予定である。
(3)研修メモ「産婦人科医療事故防止のために」の改訂
平成4年から5年にかけて、改訂した「産婦人科医療事故防止のために」は、産婦人科医療の将来の達成基準として各界で認められているところである。
今までに発刊した小冊子「これからの産婦人科医療事故防止のために」の項目も織り交ぜ、数年間をかけて改訂作業に入る。一冊の研修メモとして再発行するものではなく、主要項目を小冊子として発行していく。
(4)汎用されている「能書外使用」薬剤に関する検討
昨年度行った「能書外処方の実態調査」から、能書外使用であっても実際には汎用されている薬剤を検討し、関連各部、関連学会などとの検討協議の上、厚生省に対し要望書等により薬剤の追加適応を得るための働きかけを行う。
(5)「事例集」作成
平成11年から12年に生じた産婦人科関連の医療事故をまとめ「事例集」を作成する。本「事例集」は、「全国支部医事紛争対策担当者連絡会」で、全国の医事紛争対策担当者に配付し、医事紛争の実際を知り、防止に役立てる。
(6)診療録開示に関する問題点の検討
診療録開示に伴う医事紛争につき情報を収集し、また、医療対策部と合同で、日母としての診療録開示に対する見解および、医事紛争対策を検討していく。
2.医事紛争対策
(1)医事紛争事例の対応
日本医師会医事紛争対策担当者や法律関係の関係者との積極的な連絡を図り、医療の動向や、患者の権利等の社会的な動向等を踏まえた“up-to-date”な情報収集を図ると共に、各支部あるいは当事者からの要請のあった事例に対しては、当事者、担当者、場合によっては法律家を交え、医学的、法律的な見地よりブレーンストーミング的な検討を行い、対策について助言、援助を行う。
(2)鑑定人推薦依頼に対する対応
昨年度、各支部の推薦による「産婦人科領域における鑑定人候補者リスト」を作成した。これをもとに、各支部あるいは当事者、および裁判所等からの鑑定人依頼に対し、その事例に最も適当な候補者を鑑定人として推薦する。
(3)研修メモ「医療事故の初期対応」の検討、改正
本冊子は、平成3年に発行され、全国会員にとって必需品たるべき冊子である。本年度からは診療録開示に伴う問題点も含め、加えて、日母自身の対応システムも構築し改訂する。さらに、今後の新会員にも配布できるような方法を考えていく予定である。
(4)結審事例の検討
平成7年度に導入した判例体系CD-ROMを、平成12年度版に更新し、最近の産婦人科関連の判決について、詳細に分析、検討、集積を行う。同種の判例に関する情報を必要とする会員の依頼に対しても、過去の判例、法律関連文献等の抽出をもって対応していく。
(5)産婦人科関連医薬品使用上の注意に関するパンフレット作成
PL法施行に伴い変更が相次いでいる添付文書の「使用上の注意」を、産婦人科で頻用する薬剤に限りパンフレットにまとめ会員に配布している。今年度も必要があれば適宜作成し、対応することとする。
(6)支部月例報告
各支部より報告された月例報告の中から医事紛争に関する事例を集積すると共に、報告例より医事紛争の実態把握に努める。
3.委員会
以上の事業を円滑に遂行するため、医事紛争対策委員会を存置する。

 

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