答申トップ メンバー 序 OA化 広域network 日母ネット 光カード 地域周産期医療 資料:日母光カード標準データフォーマット(1999.2)
資料:ファイル内のデータ項目の記述フォーマット(1999.2)
資料:胎児心拍数情報ファイル データフォーマット規格
【光カード等の検討】
平成10年度においてはこれまでのスタンドアロンとしての光カードシステムの発展形としてネットワーク対応を前提としたソフトの改良開発を行った。入力する周産期データに関しても従来の妊婦外来における諸データ(母子健康手帳)に加え、入院・分娩経過、新生児情報、胎児心拍数の記録、超音波画像の取り込みなどすなわち電子カルテ化を目的としたソフトの開発を行った。本システムにより院内でのネットワークシステム(イントラネット)の構築はもちろん、通信回線を用いての病院および診療所間のネットワークの構築が容易となり、地域全体の周産期医療支援システムとしての機能を持たせることが可能となった。
香川県においては平成10年度の県のモデル事業として「地域健康福祉情報ネットワーク」がスタートした。本ネットワークでは香川医大母子センター、町立内海病院(小豆島)、坂出市立病院の3施設(本年度中に県立津田病院が加わり4施設の予定)の光カードシステム(院内のイントラネット)がISDN回線により常時相互に接続され周産期情報を共有出来るようになった。本システムの記録方式はすべて“日母光カ−ド標準デ−タフォ−マット”に基づいており、現在同様なシステムを用いている他施設(高知医大など全国で約15施設)とも光カードもしくは通信回線により比較的容易に情報交換が可能であり、全国的な規模でのネットワーク構築も考えられ今後本システムの地域医療における有用性を確認していくことが重要である。
“日母光カ−ド標準デ−タフォ−マット”のバージョンアップ 胎児心拍数と子宮収縮の記録・伝送方式に関する“胎児心拍数記録標準フォーマット”に関しても答申する。
1.院内LANによる光カードシステム相互の接続
外来管理を主体として光カードシステムを用いる場合には従来型のスタンドアロンの構成でもよいが病室分娩室において連携して利用する場合には個々のシステムが独立していては不都合である。そこで今年度は院内各部署の光カードシステムを院内 LANにより相互に接続し妊娠から分娩新生児所見までを一貫して扱う周産期管理システム(電子カルテ機能を持つ)を開発した。
我々の施設においては外来(2カ所)入院診察室ナースステーション分娩監視室(計5カ所)に入力用コンピューター(クライアント)を設置しサーバはME室に設置されている(図)。
すでに述べたように本システムはISDN回線により他施設の光カードシステムとも接続され施設間相互のデータ交換が可能である。
本システムは外来のみならず入院から分娩新生児経過までの利用すなわち周産期情報を包括的に扱う電子カルテとしての機能も保持している。
入院時には入院診察室のクライアント端末からそれまでの外来での経過を参照しながら入院時の各種情報(血圧、陣発時刻、陣痛周期、出血、破水の有無等)を入力する。陣痛開始後は開大度、児頭下降度、回旋の方向などを従来のカルテの項目にしたがって随時入力可能で分娩進行の時系列的な経過が直ちにパルトグラムとして表示される。
分娩後の新生児体重、アプガルスコア、出血量、胎盤重量等の情報に関しても同様に入力可能となっておりこれらの諸情報は従来のカルテとまったく同じ形式で印刷されデータ入力の二重化を防いでいる。
胎児心拍数データに関しても光カードには CTGデータ記録用に専用の領域を設定してあり72時間分のデータが記録可能でありほとんどの妊婦に対してはカード一枚で対応可能である。
2.地域との連携とネットワーク化
1施設内におけるネットワーク化電子カルテ化が進むとこれまで光カード(オフライン)で情報を交換していた院外の施設相互に関しても直接ネットワーク(オンライン)で接続しようという考えが出てくる。医療機関相互を通信ネットワークでむすぶ構想はかなり以前より試みられてきたが、医療情報の記録方式が統一されておらず実現は困難視されていた。当初は光カードへの記録を目的とした“日母光カ−ド標準デ−タフォ−マット”により、はじめてネットワークによる相互接続が実現可能になったといえる。
すでに述べたように香川県においては平成10年度の県のモデル事業として「かがわ健康福祉情報ネットワーク」(http://www.hw.kagawa-swc.or.jp/)をスタートさせた(図)。本ネットワークでは香川医大母子センター、町立内海病院(小豆島)、坂出市立病院の3施設(10年度末に4施設)の光カードシステムがISDN回線(128Kbps)により相互に常時接続され周産期情報の伝達に役立っている。今後の予定として県立病院やその他の医療機関が接続される予定であり、もちろん診療所に関しても希望する施設には県の提供するアクセスポイントに電話回線で接続すること(ダイアルアップルーター)により容易にネットワークに接続できる。システム的には光カードに書かれた内容をほぼそのまま送る形式をとっており、妊娠に関する各種情報に加え胎児心拍数、超音波画像の送受が可能である。
3.日母光カ−ド標準デ−タフォ−マット”のバージョンアップと“胎児心拍数記録標準フォーマット”に関して
“日母光カ−ド標準デ−タフォ−マット”を制定してからすでに4年経過し、本システムのソフトを開発運用していく上で部分的に改訂をすべき点が見いだされた。また本年度の事業計画において胎児心拍数の伝送に際しての標準化が求められていた。これらの点に関して、“日母フォ−マット”のバージョンアップおよび新しく胎児心拍数と子宮収縮の記録・伝送方式に関する“胎児心拍数記録標準フォーマット”に関して答申する。
なお、本“日母標準フォーマット”は、平成10年度第3回日本産婦人科学会周産期委員会においても承認された。
1)“日母光カ−ド標準デ−タフォ−マット”のバージョンアップ主な変更点(案)
(1)説明文の変更
日母フォーマットの内容説明の補足
従来の2つの資料では日母フォーマットの記載方法などについて詳細な説明がされているが内容が十分でなかったため説明を追加した。例)デ−タ項目を追加削除及び変更する場合の記載方法
セグメントマーカー導入によるファイル構成の単純化
従来の仕様では多胎児データを扱う時ファイルの拡張子でデータを区別することになっていたため更新規則などが複雑であった。そこでセグメントマーカーを使用し単一ファイルで扱えるように変更することで更新規則などを単純化した。例)従来のファイル構成 --> 変更案でのファイル構成
ECHO.101、ECHO.201 ECHO.001
(2)データコード表の変更
備考欄の追加
従来の仕様では各データ項目に関する説明がないため、どのデータをどの項目に記載すればいいのか分かり難かった。そこで備考欄を追加し、誤解しやすい項目に関して説明を入れた。2)“胎児心拍数情報記録標準フォーマット”に関して(案)
適用範囲
この規格は、「日母光カード標準データフォーマット」に則った胎児心拍数情報ファイルで用いるデータフォーマットの記録項目及び記録形式について規定する。
用語の定義
この規格で用いる主な用語の定義は、次の通りとする。
(1)ヘッダデータ: 胎児心拍数情報の属性情報や、波形表示のためのパラメータを記録したデータ。
(2)グループ/エレメント番号:ヘッダデータ内の各データ項目は、大分類のグループ番号と、詳細分類のエレメント番号からなる見出しによって識別される。
(3)データエレメント:ヘッダデータの各データ項目であり、グループ番号、エレメント番号及び属性データからなる。
(4)インターリーブ比: 一般に分娩監視装置が計測データを外部にデジタル出力する場合、胎児心拍数データと陣痛及び胎動データは異なった時間間隔でサンプリングされ、1パケットごとに多重化して送信される。
胎児心拍数情報ファイルの構成
胎児心拍数情報ファイルは、ヘッダ部、波形データ部、カード管理部から構成される 。・(資料1)日母光カード標準データフォーマット(1999.2)
・(資料2)ファイル内のデータ項目の記述フォーマット(1999.2)
・(資料3)胎児心拍数情報ファイル データフォーマット規格
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