【参考】 |
5. 産婦人科医療における電子化、ネットワーク化
政府は平成13年1月にe-Japan戦略を策定し、内閣直属の「IT戦略本部」において平成17年までに日本が世界最先端のIT国家となることを目標に掲げている。
(1) 周産期ネットワーク
香川県のモデル事業として1998年度にスタートした周産期ネットワークは、すでに5年を経過した。すべての事業費が抑制される中、幸いその成果により継続の予算が認められた。新しく構築された周産期用サーバの機能は大幅に向上し、全国の医療機関を対象とした周産期サーバとしての運用も可能である。
(2) モバイル端末ならびに携帯端末による在宅妊婦管理システムの開発 ハイリスクの妊婦管理においては胎児心拍数の連続モニタリングが最も重要である。今回開発したパケット通信を用いたモバイル端末のシステム(iModeと同様のDoPa技術を採用)では、妊婦および医師側が病院、診療所以外のどこにいても、胎児モニタリングを可能にした。医師は携帯端末(iアプリ)を利用することにより外出先からでも、胎児心拍数を観察することが可能である。また本システムを周産期サーバと連携することにより、Web版電子カルテ上で、在宅の妊婦のデータ参照も可能になり、その臨床的意義は非常に高い。 (3) これからの産婦人科医療とネットワーク対応電子カルテ 妊婦健診と分娩の取り扱いを分業で行うことが検討されている時代であるが、ネットワーク対応電子カルテの導入は、重要な検討材料となる。 (4) 日母フォーマットのJAHISによる生涯健診データ交換規約(HDML)への組み込み 保健医療福祉情報 システム工業会(JAHIS)では、生涯を通しての健診データ記載の標準化を行っている。本委員会ではすでに1999年度に妊娠分娩管理における妊婦・胎児に関するデータの標準化を、日母フォーマットとして制定していたが、本年度JAHISでは日母フォーマットをそのままの形で生涯健診データ交換規約(HDML)に採用することを正式に決定した。 (5) かがわ遠隔医療ネットワーク 昨年6月香川県の一般財源により、かがわ遠隔医療ネットワークがスタートした。本センターの運営は、県と医師会、大学が協力して行い、その利用料金は病院・診療所とも一医療機関1月6,500円と、従来の標準的価格の約1/10に設定しており、小規模の医療機関でも加入しやすくしている。また香川県の医療機関と連携していれば、県外の医療機関も利用が可能である。現時点ですでに香川県内約40医療施設、県外1施設が接続されており、次年度中には70施設以上の参加が見込まれており、今後全国への波及効果が期待される。 (6) セキュリティ問題とVPNによるネットワーク化
厚生労働省の科学研究費で医療に特化したVPN(仮想プライベートネットワーク:Virtual Private
Network)のネットワークが稼働する。香川県では上記VPNを、周産期ネットワーク、モバイルによる在宅妊婦管理システム用サーバ、かがわ遠隔医療ネットワークに設置する予定である。
(7) 人工妊娠中絶実施報告書等の電子化
厚生労働省が電子媒体を用いた各種報告書の作成を許可したことに伴い、産婦人科において現在使用されている報告書類の電子化について、具体的な検討が必要と考えられた。まずは人工妊娠中絶実施報告書について電子媒体を用いた形式として、昨年度までにXMLという世界標準の文書交換規約を用いた具体的モデルの作成を本委員会において試みた。今後は実際の運用における課題を検討していくため、昨年度、支部宛に電子媒体を用いた報告書の使用につき実態調査を行った。その結果によると電子媒体による報告書の提出が行われている支部はまだない。
(8) 会員への広報活動 医会報やホームページを通して、医会会員に最新の医療情報について広報活動を行っていくことは継続事業である。さらに、平成17年度には産婦人科ME学会ならびに遠隔医療研究会が高松で開催される。その際には、産婦人科医師へ最新の医療情報を直接知らせることができる。また、平成17年には香川県で、地域情報化に関する国内最大規模のイベントである全国マルチメディア祭が開催され、そこで医療ITについての活動を一般市民へ広く知らせることができる。 |