[7]社会保険部
小泉内閣が掲げた「聖域なき構造改革」により医療界全体が落ち着きを失っている。社会保障有識者会議が掲げる「株式会社による医療機関の経営」「保険者と医療機関との直接契約」「混合診療の解禁」など厚生労働省や医師会、関係団体、国民の多くの反対や抵抗を押し切って盛り込まれた改革項目も少なくない。実際、平成16年4月に行われた診療報酬点数改定では種々の項目で点数が減となった。混合診療も全面解禁は阻止されたが行先きは厳しい。さらに、DPC(診断群分類別包括評価制度)が一般病院に採用されるのも時間の問題である。このような社会情勢の中、社会保険部の役割は重大である。
平成17年度、遂行を予定している事業は下記のとおりである。
1.産婦人科診療報酬の適正化へ向けての検討及び、DPC(診断群分類別包括評価制度)への対応
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機能別体系化への移行をはじめとして医療保険の枠組みは大きく変わりつつある。
産婦人科診療報酬適正化の推進及び保険導入検討医療への十分な対応を図るために、厚生労働省、日本医師会から遅滞なく情報収集に努める。
2.診療報酬点数改定に向けての要望事項作成
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平成18年に予定される診療報酬点数改定に向けて、全国支部社会保険担当者、社会保険委員より広く要望事項を募る。産婦人科診療報酬の適正化を図るべく、要望事項を整理し、関係諸団体とも連携をとりながら当局へ実現に向けて働きかけて行く。
3.疑義解釈についての解説と会員への伝達
- (1)医療保険運用上の疑義について解説、指導を行う。
(2)診療報酬点数運用上の疑義に関し、厚生労働省、日本医師会、日本産科婦人科学会にはかり検討を行う。
(3)新たに発令された通達等を速やかに会員に伝達する。
4.ブロック及び支部への連携及び会員への研修・伝達の徹底
- (1)ブロック及び支部の社保活動を強化するため、ブロック社保協議会及び支部社保研修会に協力し、各支部との連携、都道府県審査委員会との連絡を密にし、運用上の問題点については、速やかに対応し検討する。
(2)全国支部社会保険担当者連絡会を開催する。
(3)支部を通じ、公的医療機関保険事務担当者との連絡をはかり、産婦人科社保運用上の統一を図る。
(4)社保問題について特に徹底を図る必要が生じた場合は、随時に支部を通じ会員の研修を行う。
(5)ブロック及び支部からの診療報酬の適正化へ向けての要望事項を収集し、整理・検討する。
6.日産婦医会報による会員への伝達の徹底
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社保問題で重要なものについては、随時「日産婦医会報」の紙面及び医会ホームページにおいて会員に伝達を行う。
年度末には、1年間の主要な社保関係の本部見解、伝達事項を特集の形で掲載する。
7.ICD-10に基く病名オーダリングシステム調査
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IT(情報技術)の普及に伴い、オーダリングシステムの導入が進んでいる。
情報システム部とも連携し、ICD-10に基くコード化を容易にする病名オーダリングソフトに関する資料を収集し、必要に応じて会員へ情報提供する。
8.関連諸方面との連絡折衝
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産婦人科社保診療の円滑な運用のために、日本産科婦人科学会、日本医師会、厚生労働省その他関係諸団体との連絡折衝を図る。
9.委員会
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社会保険委員会を存置する。
また、必要に応じ社保小委員会を開催する。
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