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新生児聴覚スクリーニングマニュアル
はじめに目次123456789101112
資料1
資料2資料3資料4資料5資料6資料7


8.新生児聴覚検査の評価

(1)早期支援の効果の評価
 聴覚スクリーニングの効果を判定するためには、児の聴覚認知能力および言語発達評価により、早期支援の効果を評価する必要がある。
 聴覚障害児の支援効果は、聴力、支援開始年齢、支援内容、他障害の有無、知能水準、母親の養育力などの要因によって影響を受ける。
 また、聴覚障害乳幼児の聴力検査は聴性行動をもとに判断するが、この聴性行動は発達と相関関係があるため、乳幼児聴力検査を実施するにあたり、発達の評価が必要である。
 以上のことから、個別支援プログラムの作成、円滑な支援の実践、支援効果の判定には発達評価が不可欠である
 ア.言語発達評価の目的
   聴覚障害乳児の発達を評価することで、個々の聴覚障害幼児の発達・特徴に応じた支援プログラムの作成および療育の円滑な実施を促進し、また支援効果の判定を行うことを目的とする。

 イ.言語発達評価の方法
    現在わが国には、3歳以下の児に使用する適切な標準化された言語発達評価法がないので、現状では新版K式発達検査、TKビネー式など既に標準化されている発達・知能検査の言語に関する項目を利用することもやむを得ない。  6歳児の言語発達評価には、ウェクスラー系知能検査(WPPSIなど)の言語性IQ、語音明瞭度検査、発語明瞭度検査、語彙数、読書力検査などを用いることが出来る。 また、聴覚障害乳幼児の発達評価は熟練した担当者が行うことが望ましい。

(2)新生児聴覚スクリーニング実施後の事業評価
 自治体は、新生児聴覚検査により発見された、聴覚障害児が適切なケアを受けているか否かを把握し、また同時に新生児聴覚スクリーニング事業自体の評価を行うために、検査実施機関からの報告により、新生児聴覚スクリーニング検査実施数、実施率、「要再検」率、精密検査受診率、聴覚障害診断数などの調査、および「要再検」例の追跡調査データの収集と管理を行う。また、将来はon−line入力が可能になるようなデータ収集・管理の整備を行うことなども、検討課題である。
 ア.スクリーニング検査実施機関からの報告
  (ア)報告内容
施設名、施設内出生数、検査方法、聴覚検査実施数、「要再検」例数
  (イ)頻度
毎月一回

 イ.精密診断機関からの報告
  (ア)報告内容
機関名、精密診断を実施した症例数、診断した症例の、生年月日、性別、住所、出生施設、診断年月、診断名、合併症、聴覚障害の程度、種類、両側・片側の別、紹介した支援機関名
  (イ)頻度
症例があった時、6ヶ月に一回

 ウ.早期支援機関からの報告
  (ア)報告内容
早期支援実施機関名、支援を開始した症例数、支援を開始した症例の生年月日、性別、出生体重、住所、出生施設、診断機関、診断年月、診断名、聴覚障害の程度、補聴器装用開始時期、等
  (イ)頻度
6ヶ月に一回


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