[7]社会保険部
平成14年4月に改定された新点数は徐々に資産を圧迫し、医療機関の多くは破綻寸前である。また、大学病院に導入されたDPCは現時点では収入増となっているが、係数の変更でいつ収入減になるかが不安となっている。一方、有床診療所では分娩後の入院期間が48時間規制と相まって問題になりつつある。
このような状況下にあって、診療報酬の適正な確保を追及するためには絶えず情報の収集や分析に努め、保険診療の適切な運用が必要となる。
平成16年度、遂行を予定している事業は下記の通りである。
1.産婦人科診療報酬の適正化に向けての検討
前回からの診療報酬改定にみられるように機能別体系化への移行をはじめとして医療保険の枠組みは大きく変わりつつある。産婦人科診療報酬の適正化を推進することと、産婦人科医療にとって最善の診療報酬点数のあり方について検討し、その意見を関係当局に具申しその実現に努力する。
2.診療報酬点数早見表の作成と配布
診療報酬点数改定が実施された場合、速やかに「新点数早見表」を作成し、会員に配布する。
3.診療報酬点数改定に伴う「医療保険必携‐医療保険診療報酬点数運用のための留意事項」の作成と配布
平成16年診療報酬改定に伴い新点数の運用、留意すべき事項等を整理した「医療保険必携」の新版を作成し、会員に配布する。
4.診療報酬動態調査
定期的にモニター医療機関の協力を得て診療報酬動態調査を行い、点数改定の影響や項目別点数の動態を把握し、産婦人科診療報酬適正化のための資料とする。
5.疑義解釈についての解説と会員への伝達
(1) 医療保険運用上の疑義について解説、指導を行う。
(2)
診療報酬点数運用上の疑義に関し、厚生労働省、日本医師会、日本産科婦人科学会にはかり検討を行う。
(3) 新たに発令された通達などを速やかに会員に伝達する。
6.ブロックならびに支部との連絡および会員への研修・伝達の徹底
(1)
ブロックおよび支部の社保活動を強化するため、ブロック社保協議会および支部社保研修会に協力し、各支部との連携、都道府県審査委員会との連絡を密にし、運用上の問題点については、速やかに対応し検討する。
(2) 全国支部社会保険担当者連絡会を開催する。
(3) 支部を通じ、公的医療機関保険事務担当者との連絡を図り、産婦人科社保運用上の統一を図る。
(4) 社保問題について特に徹底を図る必要が生じた場合は、随時に支部を通じ会員の研修を行う。
(5) ブロックおよび支部からの診療報酬の適正化へ向けての要望事項を収集し、整理・検討する。
7.「日産婦医会報」による会員への伝達の徹底
社保問題で重要なものについては、随時「日産婦医会報」の紙面において会員に伝達を行う。
年度末には、1年間の主要な社保関係の本部見解、伝達事項を特集の形で掲載する。
8.ICD-10に基く病名オーダリングシステム調査
IT(情報技術)の普及に伴い、オーダリングシステムの導入が進んでいる。
情報システム部とも連携し、ICD-10に基くコード化を容易にする病名オーダリングソフトに関する資料を収集し、必要に応じて会員へ情報提供する。
9.関連諸方面との連絡折衝
産婦人科社保診療の円滑な運用のために、日本産科婦人科学会、日本医師会、厚生労働省その他関係諸団体との連絡折衝を図る。
10.委員会
社会保険委員会を存置する。 また、必要に応じ社会保険小委員会を開催する。
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